IllustStudio 使い方講座 > 機能解説!トラの巻 > 3D > パース描写-3点透視で机…

パース描写-3点透視で机を描く-

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
閲覧数 : 51294回 総合評価 : 6件
使用したバージョン:IllustStudio Ver.1.2.0

IllustStudioの3Dワークスペースやパース定規を利用すると、パースペクティブを利用した描画を進めることが可能です。ここでは、パース定規と3Dワークスペースを組み合わせて「四角い箱」と「机」を作画する方法を紹介していきましょう。

パース定規の使用方法詳細については、「パース定規の使い方」を参照して下さい。

[1]3点透視のパース定規作成


パースペクティブの3点透視の手法を用いる描画を行うためのパース定規を作成します。

(1)まず、メニュー[定規]-[パース定規]-[3点透視を作成]を選びます。

 


(2)消失点が3つあるパース定規が作成されます。作成直後のアイレベルは下方2つの消失点を通る高さになっています。

 


(3)3点透視のパース定規を作成した場合は、3つの消失点の方向に、ペンやブラシの動きがスナップします。

 


(4)アイレベルを回転させると、アングルを傾けることができます。ただし、初期状態では[アイレベルを水平に固定]の設定がonになっており、アイレベルを傾けることができません。

 

アイレベル上の消失点付近で右クリックすると、消失点やアイレベルを調整するためのメニューが表示されます。

アイレベルを傾けたい場合は、このメニューで必ず[アイレベルを水平に固定]をoff、また[アイレベルを現在の位置で固定]をoff(チェックのない状態)にしておきます。

 

[2]四角い箱を立体的に描く


机を描く作業を行う前段階の練習として、四角い箱を描いてみましょう。

 

まず、3点透視用のパース定規を作成します。

今回は見下ろしたアングルになっているので、それぞれの消失点はこのように設定されます。

 

(1)まず、底面部分の四角形をパース定規にあわせて描きます。

 

POINT

[図形]ツールなどもパース定規にスナップするので、これらのツールを使ってもいいでしょう。

 

(2)四角形のそれぞれの頂点から上方向に線を延ばします。このとき、元々描いてある四角形の頂点から線を描き始めれば、パース定規のスナップに沿わせるだけで、正しい位置に線を引くことができます。線の引き始めのポイントをきちんと捉えておきましょう。

 

(3)縦の線を引いたら、そのうち1本を使って、天面の位置(高さ)決めます。底面に描いたように、天面部分の四角形の頂点と縦の線に交わるところでパース定規に沿わせて線を引けば、正しい四角形が描けます。

 

(4)これで、四角形が描けました。

 

[3]机を描く


立体的な四角形が描けたら、机を描くための準備をしましょう。

この様な机を描きたいと思います。

 

(1)この机は真横から見ると脚が内側についています。この机を正しいバランスでパースに沿って描くために、真上から透視して見た状態を思い浮かべてみましょう。

 

天板の大きさと較べると、脚の位置が内側にあるので、真上から透視した図はこのようになります。グリッドレイヤーを表示させて、グリッドにスナップさせながら、この透視図を描きます。

 

(2)まずは、先ほど描いた四角形の箱の底面に、透視図をはめ込みます。[編集]メニュー→[移動と変形]→[自由変形]で変形させ、頂点をあわせれば、パースに沿った変形がされます。

 

(3)底面と天面両方に、同じように透視図をはめ込みます。

 

(4)はめ込んだ透視図の「脚」の位置にあわせて、底面と天面を結びます。パース定規に沿って描くだけで机の脚が描けます。

 

(5)天板を描きます。天面の四角形から厚みをつけて「四角形の箱」を描く要領です。

 

(6)天板に隠れる部分を消します。

 

(7)これで机が完成です。単なる四角形の箱から机の脚などを描く際に、こういった透視図を利用すると、正確な作画が行えます。

 

[4]さまざまな脚の形の机を描く


他にも、脚の形の違う机を描く方法を紹介しておきましょう。単純な形から脚の形を形成する過程を見て下さい。

 

1.Z脚の机


この様に脚の形がZの形になっている場合の作画手順です。

 

真横から見た机の形です。

 

(1)脚の付け根の部分や、長さなど、起点となる位置を捉えます。

 

(2)上から見下ろした透視図はこのように作画しました。

 

(3)先ほどと同じように、透視図を四角い箱の底面に[自由変形]で変形して貼り付けます。

 

(4)机の脚が床面に接する場所がこれで割り出せました。

 

(5)同じく天面に接する机の脚の場所もこれで把握できます。

 

(6)脚は、透視図のマークした場所を手がかりに直線ツールで結んでいきます。斜めを向いた直線はパース定規のスナップをONにした状態では作画できないので、スナップのON/OFFを切り替えながら作画しましょう。

 

(7)線をクリンナップします。

 

(8)完成です。

 

2.ハの字脚の机


脚に角度の着いた机の作画手順です。

 

(1)ハの字に広がった脚を上から見た様子を透視図にします。

脚の付け根の位置と、床に設置する位置を確認します。

 

(2)四角い箱の天面と底面に、透視図を[自由変形]で変形させて貼り付けます。

 

(3)脚の付け根から床面の設置位置まで線を結びます。

パースに沿っていない斜めに向いた線は、パース定規のスナップのON/OFFを切り替えて描画します。

 

(4)天板と脚を清書、着色して完成です。

 

[5]透視図を活用して机を配置する


透視図を使った立体的な机の作画方法を参考に、教室など、複数の机が並んでいる状態を作画する方法を紹介します。

今回は、3Dワークスペースも利用して、床面のグリッドとして利用しています。

 

(1)まずは、机の透視図をコピーして平面上に並べます。その際、形を取りやすいように、一番外側に青色の四角いラインを入れています。これらをすべて1枚のベクターレイヤーにまとめます。

 

(2)今回の透視図は正方形の四角で囲んでいます。3Dグリッドを表示、マス目を数えて正方形の四角い箱を描画します。

 

(3) [自由変形]で変形して箱の底面に透視図を貼り付けます。

 

(4)同様に天面にも透視図を貼り付けます。

 

(5)脚の部分の下描きをします。パースに沿っていない斜めに向いた線は、パース定規のスナップのON/OFFを切り替えて作画します。

 

(6)下描きが終わったら、線画を清書します。

 

(7)複数の机の配置が完了しました。

 

あらかじめ透視図や配置図などをベクターレイヤーに作画して、パースにあわせて変形させる方法で家具や什器の描画を行うことができます。単純な形から、複雑な形に透視図を組み合わせて作成できるように練習してみましょう。

コメント
翠河 2014/04/01 08:16
勉強になります