作業効率アップのショートカット
閲覧数 : 138297回 総合評価 : 6件
IIllustStudioには、効率よく操作を行うために、メニューや機能、コマンドに対して、ショートカットが設定されています。こう したショートカットを覚えておけば、パレットやメニューを表示、展開させることなく操作できます。素早く確実な作業のために、ショートカットを使いこなせるようになりましょう。
ここでは、作業中に使うと便利なショートカットを紹介します。
[1]ショートカットを使う利点
はじめに、絵を描く工程で、頻繁に使うキャンバス表示のズームイン(拡大)・ズームアウト(縮小)操作を例に、ショートカットを使わない場合と、ショートカットを使う場合の操作方法の違いを見てみましょう。
ショートカットを使わない場合
・メニューから操作する
メニュー[表示]を選択後、表示されるコマンドから[ズームイン]か[ズームアウト]を選びます。
・ナビゲータパレットを利用して操作する
ナビゲータパレットを利用してキャンバス表示をズームイン/ズームアウトします。
・ウィンドウスクロールバー横のアイコンで操作する
ウィンドウ左下にある、スライダーとアイコンを利用してキャンバス表示をズームイン/ズームアウトします。
以上3通りの方法はいずれも、マウスポインタをメニューやアイコンに移動させる必要があります。
つまりイラストの描画中に作業をいったん保留して、「ズームイン/ズームアウトするための操作」を行うため、タイムラグが発生します。
ショートカットを利用する場合
キャンバス表示のズームインをショートカットを利用して操作する場合は、[Ctrl]キーと[Space]キーを同時に押しながら、キャンバス上の拡大したい場所をクリックします。
キャンバス表示のズームアウトをショートカットで操作する場合は、[Ctrl]キーと[Alt]キーと[Space]キーを同時に押しながら、キャンバス上の拡大したい箇所をクリックします。
これらのショートカットを使う場合は、ペンを持つ手とは反対の手でキーボードに手を置き、ショートカット操作の際にキーを押して操作をします。
このようなスタイルでショートカットを利用してキャンバス表示の操作を行うと、キャンバス上からマウスポインタを移動させずにイラストの描画を続けられます。
IllustStudioの操作に慣れてきたら、「こう描きたい」と思う気持ちをダイレクトにキャンバスに反映させるためにも、積極的にショートカットを利用しましょう。
IllustStudioではショートカットのキー割り当てを、自由にカスタマイズできます。他のアプリケーションソフトで使い慣れたショートカッ トを割り当てるなど、「自分が使いやすい」ショートカットを作っていくこともできるので、ぜひショートカット操作方法を覚えておきましょう。
※ショートカットの使い方やカスタマイズ方法は、「ショートカットの使い方と登録方法」を参照してください。
[2]基本のショートカット
IllustStudioでの作業中によく使う、基本的なショートカットを紹介します。
作業の基本となるショートカット
・コピー:[Ctrl]+[C]キー
編集中のレイヤー上で指定した選択範囲をPCに記憶します。コピーしても、画面上に変化はありません。
コピーされた情報は貼り付けて複製します。貼り付けのショートカットは[Ctrl]+[V]です。
・貼り付け:[Ctrl]+[V]キー
コピー[Ctrl]+[C]後に、貼り付け[Ctrl]+[V]すると、新しいレイヤーに画像が貼り付けられます。
・切り取り(カット):[Ctrl]+[X]キー
選択されたレイヤー上で、選択範囲で指定した範囲を切り取ります。
切り取られた情報はコピーと同じように貼り付ければ、新しいレイヤーに移動できます。
切り取り([Ctrl]+[X]キー)後、貼り付け([Ctrl]+[V]キー)をすると、新しいレイヤーに画像が貼り付けられます。
・取り消し:[Ctrl]+[Z]キー
今行った作業を取り消します。
作業を間違えてしまった場合に、[Ctrl]+[Z]キーで取り消しできます。
繰り返し[Ctrl]+[Z]キーを操作すると、さらに作業をさかのぼって戻せます。
※取り消し回数には限度があります。回数は[ファイル]メニュー→[環境設定]ダイアログで、[キャンバス]→[操作]タブにある[取り消し]で設定できます。
・やり直し:[Ctrl]+[Y]キー
取り消し([Ctrl]+[Z]キー)でさかのぼり過ぎた段階をやり直すことが可能です。
[Ctrl]+[Y]キーで、取り消した段階をもう一度やり直します。
・保存:[Ctrl]+[S]キー
イラストをファイル保存します。新規で保存する場合は[保存]ダイアログが表示されます。2回目以降は、ダイアログは表示されずに上書き保存されます。
作業の要所要所で、ファイルを保存しておくとよいでしょう。頻繁に使いたいショートカットです。
・クリア(消去):[DEL]キー
編集レイヤー上の画像を選択範囲で選択された範囲で消去します。編集レイヤー上に選択範囲がない場合は、編集レイヤー上の画像をすべて消去します。
・選択範囲の解除:[Ctrl]+[D]キー
選択範囲を作成したあとに選択範囲を解除します。[切り取り]/[コピー]などを行う場合は選択範囲を作成することが多いので、このショートカットもあわせて覚えておきましょう。
キャンバスの表示を操作するためのショートカット
・ズームイン:[Ctrl]+[Space]+クリック
キャンバス表示を拡大します。
・ズームアウト:[Ctrl]+[Alt]+[Space]+クリック
キャンバス表示を縮小します。
・手のひら:[Space]+ドラッグ
キャンバス表示位置を移動します。
・キャンバス表示回転:[Shift]+[Space]+ドラッグ
キャンバスの表示を回転させます。1度ずつ細かく回転することができますが。キリのよい角度に回転させたい場合は、[Shift]+ [Space]キーを押しながらドラッグを始めたら、[Space]キーを離して、[Shift]キーを押し続けると、45度ずつ回転できます。
また、以下のキーで15度ずつ回転できます。
・時計回り:[ - ]キー
・反時計回り:[ ^ ]キー
回転したキャンバスを元の位置(角度0)に戻す場合は、以下のショートカットを使います。
・回転したキャンバスを元の位置に戻す:[Shift]+[Space]+ダブルクリック
キャンバス表示の[左右反転]をショートカットに登録しておくと、デッサンの狂いをこまめに確認できて便利です。
[ファイル]メニュー→[カスタマイズ]→[ショートカット設定]を選択して表示される[ショートカット設定]ダイアログの、[メニュー]タブ→[カテゴリ:表示]→[コマンド:回転・反転/左右反転]に任意のショートカットを設定します。
色を選択するショートカット
カラーパレットなどで表示されている[メインカラー][サブカラー][透明色]それぞれにもショートカットが設定されています。
・メインカラー:[4]キー
・サブカラー:[5]キー
・透明色:[6]キー
2色を使い分けて描画する場合や、白色や透明色を消しゴムの代わりに使用する場合に便利です。
初期設定では、[メインカラー][サブカラー][透明色]にはそれぞれ別のショートカットキーが設定されていますが、同じキーを設定すれば1キーで色の切り替えができます。
[3]選択中のツールを補助操作するショートカット
選択ツールの作業を補助するために、一時的に別の機能を呼び出すショートカットを紹介します。
ここで紹介するショートカットの一部は、ツール使用中にウィンドウ下部にある[ステータスバー]にも表示されています。
1.描画系のツール利用時に一時的に機能を切り替える
[ペン]ツールで線画を描画しているときなどに、特定のキーを押している間だけツールが切り替わります。
・パス編集ツールに変更:[Ctrl]キー
[直線]ツールや[ペン]ツールなどの描画系のツールの使用中に、[Ctrl]キーを押している間だけ[パス編集]ツールに切り替わります。作成した定規のポイントを移動させて描画する時などに利用すると便利です。
■使用例
(1)同心円定規を一つ作成した状態で、描画を行った後、[Ctrl]キーを押しながら定規を移動します。
(2)次の場所に移動したら[Ctrl]キーを離して、ブラシ系ツールなどで描画します。
定規を組み合わせて、移動→作画を繰り返して、効率よく定規を活用してみましょう。
・スポイトツールに変更:[Alt]キー
描画中、[Alt]キーを押している間だけ[スポイト]ツールに切り替わります。すでに塗られている色を参考にして、描画や塗りつぶしを行う場合に便利です。
・ブラシサイズを変更:[Ctrl]+[Alt]+ドラッグ
[ペン]ツールなど描画のためのツールで描画中、[Ctrl]キーと[Alt]キーを同時に押している間だけ、ブラシサイズが変わります。
ブラシサイズは以下のショートカットでもサイズを変更できます。
・ブラシサイズを拡大:[ ] ]キー
・ブラシサイズを縮小:[ [ ]キー
2.選択範囲設定時に一時的に機能を切り替える
選択範囲の設定中に、ショートカットで一時的に選択範囲の[選択方法]を切り替えられます。
[矩形選択]ツールや[投げなわ選択]ツールなど、選択範囲を作成するためのツールを選択中に、[ツールオプション]を確認すると、[選択 方法]というオプションがあります。ここで、選択範囲を複数作成したときの選択範囲追加方法が選べます。この[選択方法]と同じことを、ショートカットを 利用することで一時的に切り替えます。
・現在の選択に追加:[Shift]キー
[Shift]キーを押しながら選択範囲を指定し始めると、一時的に[選択方法]を[現在の選択に追加]に切り替えます。
・現在の選択から削除:[Alt]キー
[Alt]キーを押しながら選択範囲を指定し始めると一時的に[選択方法]を[現在の選択から削除]に切り替えます。
・現在の選択から選択:[Shift]+[Alt]キー
[Shift]キーと[Alt]キーを同時に押しながら選択範囲を指定し始める、一時的に[選択方法]を[現在の選択から選択]に切り替えます。
・選択レイヤーの移動:[Ctrl]+ドラッグ
選択範囲を指定するためのツールを選択して[Ctrl]キーを押しながらキャンバスをドラッグすると、選択されたレイヤーの画像が移動します。
・選択部分の移動:(選択範囲を作成した状態で)[Ctrl]+ドラッグ
選択範囲を指定した状態で、[Ctrl]キーを押しながらキャンバスをドラッグすると選択範囲のみ移動します。
[4]ツールを切り替えるショートカット
1.ツールのショートカット
前回の基本編でも紹介しましたが、初期状態の[ツール]パレットは、似た機能のツール同士が同じショートカットを共有しています。ツールに割り当て られるショートカットは[Ctrl]などの特殊キーを同時に押しながらアルファベットキーを押す方法ではなく、アルファベットキーを単独で押してツールを 選択します。
ツールごとに違うショートカットキーを割り当てることができますが、同じキーを割り当てることも可能です。同じショートカットを割り当てたツールは、キーを押すごとに順番にツールが切り替わります。
初期状態では[ペン]ツール、[鉛筆]ツール、[ドットペン]ツールは同じ[P]キーがショートカットとして登録されています。
例えば、「自分は[ドットペン]ツールはあまり頻繁に使わない」と感じるのであれば、ショートカットの割り当てを他のキーに変更してみましょう。
[P]キーを押すごとに[ペン]ツールと[鉛筆]ツールのみが入れ替わるので、頻繁に利用するツールが呼び出しやすくなります。
2.ツールの一時切り替え(ツールシフト)
ツールを利用中に、別のツールに割り当てられているショートカットキーを押したままの状態にすると、キーを押している間だけツールが一時的に切り替わります。
例えば、[ペン]ツールを使用中に、はみ出した部分などを少しだけ消したい場合、[ツール]パレットから[消しゴム]ツールを選択しなくても、キーボードの[E]を押している間だけ一時的に[消しゴム]ツールとして使用できます。
反対に、[消しゴム]ツールを使用中に[ペン]ツールで描き足したい場合も、[P]キーを押せば、一時的に[ペン]ツールが使えます。
■使用例:[水彩]ツール使用中、一時的に[レイヤー選択]ツールを使う
[水彩]ツールを使用して彩色を行っているとき、肌の色を塗ったレイヤーがどのレイヤーかがわからなくなってしまった場合、[ツール]パレットか ら[レイヤー選択]ツールを選択しなくても、キーボードの[D]キーを押している間だけ一時的に[レイヤー移動]ツールが使用できます。
(1)[水彩]ツールを使用したまま、[レイヤー選択]ツールのショートカットである[D]キーを押し続けます。
(2)カーソルが[レイヤー選択]ツールの形状になったら、色塗りの肌の部分をクリックします。選択したレイヤー意外の表示が薄くなり、レイヤーパレットでは肌が塗られたレイヤーが選択されます。
(3)ツールを切り替えることなく、肌が塗られたレイヤーを選択できました。そのまま、[水彩]ツールで肌の彩色を進めます。
IllustStudioのショートカットは細かな部分まで変更して、自分用のカスタマイズが自由に行えます。IllustStudioの操作に慣れたら、素早くツールやメニューのコマンドを呼び出せるように、ショートカットをたくさん利用してみましょう。
コメント