ペンツールをカスタマイズしてアナログなタッチを表現する
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[ペン]ツールは、[パターンブラシ]ツールのように自作画像をブラシとして設定することはできませんが、[ツールオプション]パレットの設定を変えることで様々なタッチを表現できます。
ここでは、ペンタッチをカスタマイズする設定の詳細と設定方法、アナログなタッチを表現する設定例を紹介します。
[1]ペンの設定について
IllusStudoの[ペン]ツールは、[ツールオプション]の設定を調整することで、タッチに変化を付けられます。また、調整した設定は、[ツールセット]として登録・保存しておくことができます。
1. タッチを変化させる[ツールオプション]の項目
最初に、タッチを変化させるときに調整する主な項目と筆圧設定例を紹介します。
※いくつかの項目は初期状態で非表示の設定になっています。全ての項目を表示するには[ツールオプション]下部の[全てのパラメータを表示する]をクリックします。
※[ペン]ツールの[ツールオプション]の設定項目について詳しくは、機能解説!トラの巻「ペンツールのカスタマイズ」を参考にしてください。
①ブラシ形状:ブラシ形状は3タイプから選択できます。
②[多角形の編集]:多角形はポイント数を「3」~「8」に変更できます。
③[厚み] :ペン先の形状の厚みを調整します。[厚み]の数値を下げると、線の角度によって太さが変わる設定にもできます。
[影響元]ボタンをクリックすると、ペン先の厚みに影響する下記のオプションを設定できます。
変化なし |
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ツールの厚みが変化しません。 |
ペンの筆圧 |
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ペンの筆圧を感知して、ツールの厚みが変化します。 |
ペンの傾き |
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ペンの傾きを感知して、ツールの厚みが変化します。 |
ランダム |
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ツールのサイズがランダムに変化します。 |
④向き:ペン先の向きを調整します。
[影響元]ボタンをクリックすると、ペン先の向きに影響する下記のオプションを選択できます。
変化なし |
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ペン先の向きが変化しません。 |
ペンの向き |
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ペン軸の向きによって、ペン先の向きが変化します。 ※ペンの向きをサポートするタブレットでのみ有効です。 |
ペン軸の回転 |
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ペン軸の回転によって、ペン先の向きが変化します。 ※ペン軸の回転(ひねり)をサポートするタブレットでのみ有効です。また、[ペン軸の回転]によって線の太さを変化させる場合、[ブラシ形状]を縦横比の異なるもの(例 厚み:50%/形状設定:四角)にする必要があります。 |
ストロークの方向 |
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ストロークの方向によって、ペン先の向きが変化します。 |
ランダム |
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ペン先の向きがランダムに変化します。 |
⑤[はらい]:筆圧を抜きながら線をひいたときに、線が追従する量を変更します。
値を大きくすると、筆先が長い筆のように、タブレットからペンを離したあとも線が徐々に細くなりながらペンについていきます。
⑥[筆圧設定]:筆圧の影響度合いをグラフで設定できます。
2.ペンの筆圧設定
[ツールオプション]の[筆圧設定]では、[ツールセット]ごとにペンタブレットの筆圧の影響具合を調整して設定を登録できます。
ある[ツールセット]では筆圧が大きく影響するように設定し、ある[ツールセット]ではほとんど影響しない…など、用途に応じて設定できます。
筆圧や描き味に合わせて調節してみましょう。
■筆圧設定例
通常の設定です。 |
筆圧が弱い人向けの設定です。 |
筆圧が強い人向けの設定です。 |
入りと抜きがかかりやすくなる設定です。 |
筆圧の影響が大きくなる設定です。 |
[2]アナログタッチのペン
[1]の設定項目をふまえて、いくつかカスタマイズしたペンの設定例を紹介します。
最初は、アナログのようなタッチを表現できるペンの設定です。
1.アナログ風のペン
わざとデコボコになるように設定することで、アナログらしさを表現できます。
■カスタマイズ手順
(1)[ペン]ツールの[ツールセット]パレットから、[G]を選択します。この[G]の設定をもとにカスタマイズします。
(2)[ツールオプション]の項目を、下図のように設定します。
①[厚み]:「100」→「60」 ※影響元は[変化なし]のまま
②[向き]:影響元[変化なし]→[ランダム]
③[はらい]:「10」→「5」
④[筆圧設定]:上図[筆圧設定]ダイアログ参照
(3)[ツールオプション]の設定が終わったら、設定を保存していつでも使えるようにしておきます。
[ツールセット]パレットの左上にある[新規ツールセット]ボタンをクリックします。
(4)[新規ツールセット]を選択すると、[新規ツールセット]ダイアログが表示されます。
任意の名前を入力したら、[OK]ボタンをクリックします。
(5)[ツールセット]パレットに「アナログ風のペン」が追加され、設定が保存されました。
このペンを使って描画すると、[G]ペンよりも少しデコボコした線になり、アナログ風のタッチを表現できます。
拡大すると線がガタガタしていますが、印刷をするとアナログで描いたような線が描けています。
2.でこぼこペン
[ブラシ形状]を工夫することで、デジタルにしか描けないようなペンが作成できます。
■カスタマイズ手順
(1)「アナログ風のペン」と同じように[ツールセット]パレットから元になる[G]を選択します。
(2)[ツールオプション]で下図のように設定します。
①[ブラシ形状]:円→多角形…ポイント数「5」 ※上図[多角形の編集]ダイアログ参照
②[向き]:影響元[変化なし]→[ランダム]
③[はらい]:「10」→「5」
④[筆圧設定]:※上図[筆圧設定]ダイアログ参照
(3)「アナログ風のペン」と同じように、[ツールセット]パレットの[新規ツールセット]ボタンで保存します。
このペンで描画すると、定規を使って線を描いても真っ直ぐな線にはならないため、面白い表現ができます。
3.竹ペン風のペン
[向き]を[ストロークの方向]に設定すると、線に液だまりのような変化をつけられます。
■カスタマイズ手順
(1)[ツールセット]パレットから元になる設定の[G]を選択します。
(2)[ツールオプション]で下図のように設定します。
①[ブラシ形状]:円→四角
②[厚み]:「100」→「20」
③[向き]:「0」→「180」
④[はらい]:「10」→「0」 / 影響元[変化なし]→[ストロークの方向]
④[筆圧設定]:※上図[筆圧設定]ダイアログ参照
(3) [ツールセット]パレットの[新規ツールセット]ボタンで保存します。
このように、「竹ペン」で描いたような味わいのある線が描けます。
この作例は、「竹ペン風」のペンで描いた線画を、「創作活動応援サイト CLIP」の「素材をさがす」で配布しているブラシ「繊維C(塗り混ぜ)」を使って彩色し、絵手紙風に仕上げました。
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このようにちょっとした設定の違いで色々な表現ができます。
アナログのようなペンやデジタルならではのペンなど、色々なペンを自作してみてください。
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