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第2回 ファイルブラウザを味方にする

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
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(1)ファイルブラウザで扱うフォルダを指定する

ファイルブラウザは、RETAS STUDIOのなかでとても重要な働きをするものだ。通常何枚もの作画用紙を用意するアニメ制作では、作画用紙を一覧することはもちろん、その「順番」も重要なファクターとなる。

ファイルブラウザでは視覚的にも判りやすく作画用紙のサムネイルを確認しながらカットフォルダを操作することができるようになっているので、作業がとてもスムーズに進められるようになっているのだ。第1回ではファイルブラウザを使って新しいカットフォルダを作成した。そのときに気付いたかも知れないが、ファイルブラウザで扱えるフォルダがWindows Vistaでは「ドキュメント」、Windows XPでは「マイドキュメント」以下のフォルダになっていた。これではWindowsがデフォルトで作成するフォルダなどもファイルブラウザに表示されてしまう。

[ブラウザフォルダの編集] を利用して、[ファイルブラウザ] が開くフォルダを[追加] しておくと便利だ。好きなフォルダを複数登録することができる。もちろんファイルブラウザで扱いたくないフォルダは[削除]してしまえばいい。

このように[ファイルブラウザ]で扱うフォルダを指定しておけば、RETAS STUDIOを起動後[ファイルブラウザ]を開けばすぐに作業に入れるようになる。また、RETAS STUDIO作業用のフォルダを他のドライブに指定したい場合も、[ブラウザフォルダの編集]で他のドライブのフォルダを指定することができる。

 

(2)作画用紙を後から追加する

[ファイルブラウザ]を利用する一番のメリットは「カットフォルダ」を作成・編集して、作画内容を一覧しながら操作できることにある。しかし、それだけではなく作画中に[ファイルブラウザ]を利用して、より便利に作画を進めていくこともできるようになる。

アニメーションで作画するときには「レイアウト」→「原画」→「動画」という手順を踏んでいく。もちろんこれらはアニメ作品のプリプロダクション(企画から設定やシナリオ、絵コンテ)が完了していることが前提だ。

ただ、これはあくまで大人数で制作するプロダクションとしてのアニメ制作での話だ。
時間ができたときに何も考えずにただ描きたいものだけをラクガキ帳に描いていくのはとても楽しいものではないだろうか。これと同じように明確な計画や出来上がりを考えずに描く動画があったってバチはあたらないだろう。

本来ならまずレイアウトや原画ありきで作業をするはずだが、手順の事は忘れて、楽しんで動画を描き連ねていったって構いはしない。

まずはこちらのムービーを見てもらおう。この動画は全部で4枚。何も考えずにつらつら描き進めていった。

この枚数では正直動きがぎこちない。そこでそれぞれの動画の間にさらに動画を追加してみたいと思う。1枚目と2枚目の間に新しい作画用紙を準備してみよう。

まずは[SHIFT]キーか[CTRL]キーを押下しながら、作画用紙の2・3・4枚目を複数選択する。

そのままドラッグして、ファイルブラウザ上で右側に作画用紙を移動。この例ではサムネイルが黒い状態の「穴」が2つできている状態にしている。この「穴」の部分に新しく作画用紙を作成するのだ。

移動した作画用紙の番号に注目しておいて欲しい。2・3・4枚目を移動させた跡にはグレーで「2」と「3」の文字が見えている。作画用紙の番号は後で変更するので、今はこのまま次の作業に進む。

移動してサムネイルが黒くなった「穴」の部分をすべて選択してから、[新規セル]ボタンをクリックする。

[新規セル]ダイアログで設定して、[OK]ボタンをクリックするだけだ。ファイルブラウザで複数枚選択した状態なので、[枚数指定]はグレーアウトして使用できないようになっている。

作画用紙が作成された直後のファイルブラウザ。作画用紙の番号は2番と3番がダブってしまっている。この場合は後ろにずらした2・3・4番の作画用紙の番号を変更する。

まずは番号を変更したい作画用紙、ここでは「元」2~4番のサムネイルを選択。

そのまま[ファイルブラウザ]の[メニュー表示]ボタンをクリックしてメニューを表示、[セル番号の変更]を選択する。

[セル番号]を入力(ここでは「4」)すると、選択された作画用紙の左端がその番号となり、右端まで順番に番号が変更される。

番号を変更したい作画用紙が1枚のときは、Windows上でファイル名を変更するときのように、一度サムネイルを選択し、その後セル番号のテキストボックスをクリックしても作画用紙番号を変更できる。

これらの手順で、作画用紙の番号を連番に変更しておこう。

 

(3)作画用紙が追加できない!?

作画用紙を何枚も追加していくと、ファイルブラウザが一杯になってしまうことがある。

この例では15枚まで作画用紙を増やしたところで、スクロールバーが右端に到達してしまった。このままでは15枚以上作画用紙を作成できない。

そんな場合は、サムネイルの右下にある矢印ボタンをクリックする。

スクロールバーに余白ができ、16枚目に進めるようになる。この方法で必要な作画用紙を作成していく。

 

(4)カットフォルダの中身

このようにして作成した作画用紙はカットフォルダの中に格納される。[Stylos]では[レイアウト][原画][動画][背景]の作画用紙を準備できるようになっているが、これらが実際にはどのフォルダに格納されているのかを覚えておこう。

[ファイルブラウザ]の左側に[ツリービュー]が表示され、それぞれのフォルダが一覧できるようになっている。内容はWindowsの作法とほぼ同じだ。

もし[ファイルブラウザ]がこのような表示で[ツリービュー]が非表示になっている場合は、

[ツリービューの表示/非表示]ボタンをクリック、

[ツリービュー]を表示させておこう。ここで[カットフォルダ]の中に[BG][Inbetween][Key Animation][Layout]の4つのフォルダが存在しているはずだ。これらはそれぞれ

レイアウト:フォルダ名[Layout]
原画:フォルダ名[Key Animation]
動画:フォルダ名[Inbetween]
背景:フォルダ名[BG]

この様な関係でフォルダ名がつけられている。その中に作画用紙がそれぞれ格納されているのだ。

[Inbetween]フォルダの中の[A]フォルダを表示すると、作画用紙のサムネイルが一覧できる。

 

(5)作画用紙ファイルの連番

ここで気をつけておきたいことがある。先ほど、ファイルブラウザ上で作画用紙をあとから追加する作業を行った。もともと4枚だった作画用紙を後から増やしていったのだ。もともと作画用紙の順番にA0001、A0002、A0003...と連番のファイル名がつけられていたものは、間に作画用紙が差し込まれた分、A0002(1)、A0003(1)...とファイル名の後にさらに連番がふられることになる。

もちろん、Windows上からもファイルを確認することができるのだが、ここで注意して欲しいことがある。これらの作画用紙ファイルのファイル名は不用意に変更をしないことだ。これらのファイル名はもともとファイルブラウザのサムネイル一覧と密接に関連づけられているので、勝手にファイル名を変更してしまうとファイルブラウザで登録されている順番などに悪影響を与える恐れがあるのだ。

ファイルブラウザ上の連番とファイル名は必ずしも相関性があるとは限らないので、作画用紙の番号はファイルブラウザ上で確認する必要があるのだ。

[ファイルブラウザ]上部にある[モーションチェック]ボタンをクリックすると、選択された作画用紙でモーションチェックを行ってくれるが、この場合も「ファイルブラウザ上の順番」を順送りに作画用紙を入れ替えていく。実際のファイル名は関係ないのだ。

RETAS STUDIOで作画用紙を操作する場合は、かならず[ファイルブラウザ]を利用するようにしておこう。

ということで、作画用紙を増やして先ほどの動画はこのような動きになった。

最初の動きよりはスムーズに動くようになっただろうか。[ファイルブラウザ]の活用方法をバッチリ覚えて、作画用紙を操作できるようになったらさまざまな動画にトライしてみよう。それではまた次回!

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