第1回 [CoreRETAS]での撮影の流れ
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(1)はじめに
「プロフェッショナルテクニック講座」では、日頃アニメーション制作をおこなっている制作会社のスタッフが実際の仕事と同等の撮影テクニックを使い、その手順を紹介していきます。第1回目は基本的な[CoreRETAS]での撮影の流れを説明します。
● 今回のカットのキャラクター設定
今回はSF作品でよく見られる「銃を撃つ」カットを制作していきます。キャラクターが画面の外に向けて銃を撃つという内容のカットです。
RETAS STUDIO 「着せ替えアニメサンプル」のキャラクターを元に、カットに合わせて新規に衣装のデザインを起こしました。
● 新規衣装のポイント
衣装のデザインの方向性は英国風で、リアルさよりも優雅さを優先しています。色は髪の毛の色が映えるような寒色系のブルーで、髪の毛がなびくのを見せたいのでヘルメットは着用させません。
このような点を意識して軍服をデザインしています。
(2)カットの解説
これから作成していくカットの内容と、そのポイントとなる部分を具体的に見ていきましょう。
*全60フレームのカットです。
(3)撮影前の準備
撮影用のカットフォルダは、下記のフォルダとファイルで構成されています。
[レイアウト](Layout)
[背景](BG)
[セル](A、B、Cなど直接フォルダが配置されています)
タイムシート(*.tsf)
マネージメントファイル(*.mn6)
背景素材やバンクとして使用する素材フォルダの場所はあらかじめ固定しておきます。場所を変更すると、カットフォルダを移動した時にタイムシート(*.tsf)とのリンクが外れてしまいます。
(4)CoreRETASでの撮影
[Stylos]で作画用タイムシートファイル(*.sxf)を作成してある場合はそのファイルを[CoreRETAS]で読み込み、撮影用タイムシートとして使用することも可能です。タイムシートファイルがない場合は[CoreRETAS]で新たに作成します。
作画用タイムシート (*.sxf)
原画のタイミング、動画のタイミング、セルの重ね合わせなどを管理しています。
撮影用タイムシート(*.tsf)
動画のタイミング、セルの重ね合わせ、[CoreRETAS]の[ステージ]ウィンドウの画像位置情報、[CoreRETAS]のレイヤー設定情報などを管理しています。
(5)セルバンクに撮影素材を登録
セルデータを[セルバンク]ウィンドウに登録していきます。
この時、撮影用タイムシート(*.tsf)が表示されていないと[セルバンク] ウィンドウは表示されません。
Aフォルダ内のペイント済みのデータをセルバンク[A]に登録します。
[セルバンク]ウィンドウの[セルバンク選択]で[A]を選択し、[登録]ボタンをクリックします。[ファイルを開く]ダイアログが表示されます。Aフォルダ内の画像を選択し、[開く]ボタンをクリックして[セルバンク]ウィンドウに登録します。
[セルバンク]ウィンドウにAフォルダ内の画像を登録
[ファイルを開く]ダイアログ
続けて同様に[B]、[C]を選択して各セル素材を[セルバンク]ウィンドウに登録していきます。
背景素材も同様に[セルバンク]ウィンドウに登録していきます。
[セルバンク]ウィンドウの[セルバンク選択]で、[-BG]を選択し、セルデータと同様に背景素材を登録します。
背景素材の登録
(6)レイアウトも[セルバンク]ウィンドウに登録
一通り素材の登録は終了しましたが、セルと背景の位置関係やカメラワークの確認のため、レイアウトも同様に[セルバンク]ウィンドウに登録しておきます。このカットにはカメラワークはありませんが、通常はカメラワークの指示もレイアウトに記入されています。
[セルバンク]ウィンドウの[セルバンク選択]で[-BG]を選択し、[メニュー表示]ボタンをクリックします。
[セルバンクの挿入]を選択するとダイアログが表示されます。
新規セルバンク名に「レイアウト」と入力し、カレントセルバンクの[前]に挿入を選択し、[OK]ボタンをクリックします。
(7)[ステージ]ウィンドウで素材を配置・調整
素材の登録がすべて完了したら、[ステージ]ウィンドウを表示し、各素材を配置し、調整します。画像が表示されない場合は、[画像]ボタン をONにしてください。
タイムシートの入力
[-BG]のパラメーターを[タイムシート]ウィンドウに設定します。
範囲を選択して数値「1」を入力します。
(8)レイアウトの読み込み
セルとBGとの位置関係がずれていないかを確認するため、BGデータの後ろにレイアウトのデータを登録します。
[レイヤーの挿入]ダイアログが開きますので、新規レイヤー名を「レイアウト」と記入し、[セルバンクを挿入する]にチェックを入れ、[OK]ボタンをクリックします。
[レイアウト]のレイヤーが作成されました。
次に、[レイアウト]のパラメーターを[タイムシート]ウィンドウに設定します。
[ステージ]ウィンドウにレイアウトが表示されます。
今回は位置の調整は不要ですので、レイアウトのレイヤーは非表示にします。
(9)素材の動きを確認する
[RAMプレビュー]で登録した素材の動きを確認します。
[ファイル]メニューから[RAMプレビュー]→[設定]を選択します。[RAMプレビュー設定]ダイアログが表示されます。
[実行]を選択してRAMプレビューを実行すると動きを確認することができます。
それでは実際の動きを見てみましょう。
今回はここまでです。[ファイル]メニューから[保存]を選択し、データを保存してください。
次回予告
次回は今回のカットを使い、より臨場感を出すためのフィルタの追加、カメラワークの調整を行います。
さらに、素材の追加や調整により別のシチュエーション(爆風の中、硝煙の中、雨の中)を作成していきます。
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