第2回 臨場感を出すためのエフェクトの追加
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(1)前回のカットの分析
講座概要
第2回目はカットに「リアリティー」を追加するためのテクニックを紹介していきます。
第1回目のカットに対して、演出意図を反映して臨場感を出すためのエフェクトの追加、躍動感を出すための調整を行います。
前回のカットの分析
前回のムービーを分析してより効果的な画面効果プランを練ります。
(2)作業する上でのウィンドウの解説
実際の作業に入る前に各ウィンドウについて簡単に解説しておきます。
(1)[タイムシート]ウィンドウ
エフェクトの追加、数値変化の値を入力するために使用します。
(2)[セルバンク]ウィンドウ
エフェクト素材を登録するために使用します。
(3)[レイヤー設定]ウィンドウ
エフェクト素材の[合成モード][透過指定]を変更するために使用します。
(4)[中割り]ウィンドウ
エフェクトのアニメーションの数値変化を効果的に入力するために使用します。
(5)[ステージ]ウィンドウ
エフェクト素材の配置の確認のために使用します。
(6)[レンダリング]ウィンドウ
エフェクト効果の最終結果の確認のために使用します。
(3)キャラクターと背景の距離感を出す
キャラクターにカメラのピントが合った画面を構成するため、背景のピントがぼける効果を付加します。
[タイムシート]ウィンドウの[-BG]の上にカーソルを置き、マウスの右ボタンを押して[エフェクト]→[追加]→[ぼかし]→[ガウスぼかし]を選択します。
[-BG]に[ガウスぼかし]のエフェクトが追加されました。(追加時の値は0.0で設定)
[ガウスぼかし]のエフェクトの数値を入力します。(作例では20を入力)
レンダリングウィンドウ(ガウスぼかし0の場合)
レンダリングウィンドウ(ガウスぼかし20の場合)
[レンダリング]ウィンドウを確認しながら、色々な数値を入力して自分の求めている画面を構成します。
(4)キャラクターの色を馴染ませる
[キャラクター通常版]で彩色されているキャラクターを画面になじむように色の調整をしていきます。
[タイムシート]ウィンドウで[A]の上にカーソルを置き、マウスの右ボタンを押して[エフェクト]→[追加]→[色調補正]→[HSV]を選択します。
[レイヤー設定]ウィンドウで[S](彩度)を-30、[V](明度)を-20と入力して背景の印象に合わせます。
レンダリングウィンドウ([S]0 [V]0の場合)
レンダリングウィンドウ([S]-30 [V]-20の場合)
(5_1)銃のマズルフラッシュを強調する―エフェクトレイヤー作成
[CoreRETAS]でエフェクト素材を作成して、より迫力のあるカットに仕上げていきます。
[タイムシート]ウィンドウに銃のマズルフラッシュのエフェクト用セルレイヤー[FX01]を登録します。
[C]の上にカーソルを置きマウスの右ボタンを押して、[レイヤー]→[挿入]を選択します。
[新規レイヤー名]にFX01と入力して[セルバンクを挿入する]にチェックを入れて[OK]ボタンをクリックします。
セルレイヤー[C]の後ろに[FX01]が挿入されました。
(5_2)エフェクトの準備
[CoreRETAS]内での銃のマズルエフェクトの作成をしていきます。
[セルバンク]ウィンドウで[FX01]が選択されている状態で、上記のサムネイルをマウスで右クリックします。
エフェクトの元となる[平面]を作成するため[平面の登録]を選択します。
平面の設定に下記の通り入力して[OK]ボタンをクリックします。
平面サイズ(幅):960
平面サイズ(高さ):960
平面色:RGB 0.0.0
アルファ:255
[FX01]のセルバンクのデータを[タイムシート]ウィンドウに登録して[ステージ]ウィンドウに表示します。
上記の箇所を確認した上で22、23フレーム目をマウスの右クリックで選択します。
「1」と入力してセルバンク[FX01]の1を登録します。
23、24フレーム目に黒い板が表示されます。
(5_3)エフェクト作成
[FX01]のセルバンク1にエフェクトを付加します。
[タイムシート]ウィンドウ[FX01]の上にカーソルを置き、マウスの右ボタンを押して[エフェクト]→[追加]→[光]→[レンズフレア]を選択します。
レンズフレアの位置を中心に配置するため、[レイヤー設定]ウィンドウで下記の通り入力し、[詳細設定]ボタンをクリックします。
光源:X:480、Y:480
カメラ:X:480、Y:480
描画方法:上書き
[レンズフレア詳細設定]ダイアログが開きます。[フレア]と[副光線]をチェックして、[フレア]の広がりを300に変更します。
レンダリングウィンドウ22フレームの状態
(5_4)エフェクト素材の位置、タイミングの調整
エフェクトの大きさ、位置、タイミングを調整していきます。
[タイムシート]ウィンドウのセルレイヤーは[FX01]が選択されている状態で、[T位置Y]の22、23フレーム目を選択します。
22、23フレーム目が選択されている状態で[中割り]ウィンドウの連続キーフレーム設定をクリックしてください。
22、23フレーム目にキーフレームが付きます。
22フレーム:T位置Y 88
23フレーム:T位置Y-142と入力します。
同じような流れで他の[撮影用パラメータ]を設定していきます。
[FX01]の[撮影パラメータ]をマウスで左クリックしてメニューを表示します。
フレームごとに撮影パラメータを設定します。
[FX01] 22フレーム目の[撮影パラメータ]
T位置X :88
T位置Y :-312
TスケールX:100
TスケールY:100
[FX01] 23フレーム目の[撮影パラメータ]
T位置X :-142
T位置Y :-554
TスケールX:150
TスケールY:150
23フレームの状態
[レンダリング]ウィンドウを見ながら調整してRAMプレビューで確認していくという作業の流れになります。
(5_5)[Cレイヤー]を馴染ませる
エフェクト素材に合わせてマズルフラッシュ素材の[Cレイヤー]を馴染ませます。
タイムシートウィンドウの[C]の上にカーソルを置き、マウスの右ボタンを押して[エフェクト]→[追加]→[ぼかし]→[ガウスぼかし]を選択します。
[ガウスぼかし]に「20」を入力します。
ぼかし[0の場合]
ぼかし[20の場合]
(6)空気感を加える
さらに発砲時のインパクトを強調するため、カメラ全体にエフェクトを追加します。
[タイムシート]ウィンドウの[CAM]の上にカーソルを置き、マウスの右ボタンを押して
[エフェクト]→[追加]→[ぼかし]→[放射ぼかし]を選択します。
[レイヤー設定]ウィンドウで銃口の位置に中心点を置きます。
(今回は、ぼかし:5 中心X:640 中心Y168に設定)
1フレーム目
40フレーム目
このままだと放射ばかしがすべてのフレームに作用するので、発砲する23フレーム
のみに処理を加えます。
22~24フレームを選択します。
[中割り]ウィンドウの[非連続キーフレーム設定]をクリックします。
下記の通り数値を入力します。
22フレーム:0
23フレーム:5
24フレーム:0
23フレームだけに放射ぼかしエフェクトが加わりました。
(7)キャラクターに躍動感を加える
キャラクターが手前に移動する52~60フレームの動きに対して[移動ぼかし]を加えます。
52フレーム目
60フレーム目
[タイムシート]ウィンドウの[A]の上にカーソルを置きマウスの右ボタンを押して、
[エフェクト]→[追加]→[ぼかし]→[移動ぼかし]を選択します。
52~60フレームを選択します。
[中割り]ウィンドウの[連続キーフレーム設定]をクリックします。
下記の通り数値を入力します。
52フレーム:10
60フレーム:20
[レイヤー設定]ウィンドウの方向に「-80」と入力します。
52フレーム目 移動ぼかし[10]
60フレーム目 移動ぼかし[20]
それでは実際の動きを見てみましょう。
今回はここまでです。
次回予告
次回は素材を追加して別のシチュエーション(爆風の中、硝煙の中、雨の中)を作成していきます。
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