第4回 2Dと3Dのコミュニケーション~導入編~
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(1)講座概要
近年、3DCGの技術を有効活用して制作されるアニメーション作品が増えています。その中でも作品に登場するロボットを3DCGで表現する作品も少なくありません。
今回は作画(2D)とCG(3D)を織り交ぜたワークフローを紹介します。
複雑なデザインのロボットをアニメーションさせるためにはどのような段取りが必要か、またその流れの中でRETAS STUDIOがどのように使われているかを解説していきます。
講座の第5、6回の導入部分となりますのでここで流れをしっかりと理解し、次回以降の実践へと進みましょう。
(2)カット内容説明
コンテの内容は「刀を抜いて構える」といった内容です。コンテ制作時はまだロボットのデザインが決定していなかったため仮のものになっています。
背中に刀を2本背負っている設定ではありますが、形状が不明であったため仮の動きとして描かれています。
(3)登場するロボットのデザイン
背中に太い刀を2本背負っているのが特徴的なデザインです。また動きの流れをより目立たせるため、サソリのしっぽのような後ろ髪が付いています。
最終的にはCGで表現するため、この段階でデザインは完成となります。可動部分や細かいパーツの位置は実際にアニメーションした時に調整する予定です。
(4)余談ですが...
余談ですがこのロボットのデザインコンセプトと世界観のお話をご紹介したいと思います。
海に面したとある国。小さい国土ながら優れた貿易港として名を轟かせている。その主だった理由は全長20メートル近くの巨人を活用した【決闘】によるものだ。勝者に有利な取引の条件設定やレートの変更が可能なためである。
巨人は人が乗り込みその意識を増幅する装置を使用することによって動かせる。また鎧を装備しているが、その種類は相手や決闘の内容に合わせて変更が可能である。
この【オデッサ】はそんな巨人の一体である。深紅のカラーリングから別名カーディナルとも呼ばれている。
...的な設定を(脳内で)踏まえた上でデザインを固めました。機体の色はRETAS STUDIOをモチーフにした深紅のカラーリング。刀を構えれば白鳥の飛翔をイメージさせ、また搭乗者が女性のためポニーテールがあるといいのではと思いデザインに組み込みました。マスカレードを連想させるフェイスガードも特徴の一つです。
ちなみに名前は白鳥の湖から持ってきています。
(5)コンテ、デザインが上がってきて考えること
アニメーションをする上でのポイント
■特徴的な2本の刀をより効果的に見せたい。
■カメラワークを追加してUPのカメラアングルを追加していきたい。
■ダイナミックな動きを指示してもらうためには2Dのアニメータの協力が必要となる。
問題になると思われるポイント
■2Dのアニメータのチェックや指示をスムーズにするにはどんなワークフローが必要か?
■CGのモデルのデータを並行して制作していきたい。そのような流れは可能か?
以上の点を踏まえた上で効果的と思われるワークフローを提案していきます。
[Stylos]を活用した2Dと3Dの混在したワークフロー
従来の作業では、プリントアウトとスキャニング作業を修正指示があるたびに実施していました。このワークフローでは、その回数を1回として作業工程の数と時間を軽減します。
次回予告
次回はシーン制作の流れの中で解説していきます。コミュニケーションツールとしての[Stylos]の使い方とはどういうものなのか確認していただけるでしょう。
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