第11回 デジタル作画による画面効果~前編~
提供者 : セルシス
更新日 : 2015/06/30
閲覧数 : 3322回 総合評価 : 0件
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(1)講義概要
現在、制作されている、アニメーションの作品では作画と3DCGの混在した映像が存在します。各社それぞれの優位性を把握した上で有効的に取り入れています。今回の講座の前編ではひとつの例としてカット制作の中でどのように作画とCGを選別するかを解説していきます。
(2)作例カットの内容説明
巨大人型メカ同士の対決シーンになります。
カット1:真っ暗な画面を切り裂く光。それは対峙する敵メカを切り裂く光線であった。
カット2:画面手前に切り裂かれた敵メカ頭部が落ちてくる。カメラがPANUPすると
奥には刀を構えた【オデッサ】の姿が見える
(3)3DCGソフトによるプレビジュアライゼーションムービーの作成
3DCGソフトのモデルデータとダミーの素材を使用してプレビジュアライゼーション(仮ムービー)を作成します。動きやカメラワークは簡単で、かつ、効率的な映像を作成するためには何を作画すればいいのかを整理していきます。
■カット01
■カット02
(4)プレビジュアライゼーションムービーを踏まえて素材と画面効果を決定する
■カット01
内容 | カット分析 |
敵メカを切り裂く【オデッサ】 | ●画面手前で分断されるメカはモデリングデータが存在しない ●表現方法としてCGでは刀で分断される表現は苦手 ●分断されるメカはシルエットなので作画で対応 ●分断されたときの破片は作画とCGで表現できる ●画面奥のメカは形状が複雑でだがモデルデータが存在しているのでCGで対応できる |
■カット02
内容 | カット分析 |
画面手前に切り裂かれた敵メカ 頭部が落ちてくる。 奥には刀を構えた【オデッサ】の 姿が見える |
●画面手前で分断されるメカはモデリングデータが存在しない ●作画のガイドとしてモデリングした頭部が必要か検討 ●画面奥のメカは形状が複雑だがモデルデータが存在しているのでCGで表現できる ●敵頭部落下時に画面動の効果を入れる ●撮影時に手前奥でカメラのピント送りのアニメーションを加える ●CGでレイアウトを一度作成する必要あり |
映像を作成する上でどちらの方法が効果的なのか整理していきます。分析結果を踏まえて各素材、レイアウト、ディティールを調整していきます。
次回予告
前編では3Dソフトを使用して作画前の準備を行いました。後編ではCGや作画による素材を作成しながら説明していきます。複数の手法を織り交ぜることにより効率よく効果的な映像を作成します。
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