第6回 仕上げ

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
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これまでの自主制作アニメ講座はいかがでしたか? ついにこの講座も6回目まできました。 前回の講座の後半はエフェクト三昧でした。 ではなぜ筆者がそんなにエフェクトをかけたがるのか?というと、「手軽にクオリティを高く見せられると思うから」です。

何その理由、と思われるかも知れませんが、元々筆者がエフェクトにハマったきっかけは、「いかにして自分のアニメを商業アニメの雰囲気に似せれるか」でした。 例えばディフュージョンのように、かけるとかけないでは雰囲気が全く違うエフェクトがあります。

絵が下手でも、作画が苦手でも、雰囲気がそれっぽくて色が綺麗だったら商業アニメに似るんじゃないの!?がはじまりでした。 といっても、今ではただのエフェクト好きなだけですが(笑) しかも回り回って商業アニメと全然違う絵作りになっていたりね!

さて...、それでは仕上げをしていきましょう〜

 

(1)仕上げをする1

 

前回に引き続き、「③エフェクトをかけ、色調を調整する」の工程を行っていきます。 与太話ですが、シナリオを書いた時に、弟の台詞が質問の繰り返しだったので、いかに絵に連続性を持たせて、印象を変えるかを考え、「歩きは一緒、背景は変わる」という演出を思いつきました。

 

1.タイムシートを作成する

もう手慣れた物ですね(笑) 720×480のタイムシートを作成します。 これは、前回書き出したカットの仕上げ用のタイムシートなので、時間は仕上げるカットと同じ秒数を設定しておきます。レイヤーも、5枚くらいあれば十分です。

 

2.セルバンクにセルを登録する

セルバンクにセルを登録します。今回は、前回のカット+テクスチャ+ノイズ+枠です。

前回のカット:セルバンク「BG」
 
テクスチャ:セルバンク「C」
 
ノイズ:セルバンク「D」
 
枠:セルバンク「E」
 

これらの素材をセルバンクに登録したら、テクスチャレイヤーは[レイヤー設定]パレットで合成モードを「乗算」などに変更し、透けるようにしておきましょう。

3.タイムシートを打ち込む

タイムシートを打ち込みます。 移動もなにもないので、各レイヤーともに、基本的にセルの自動配置だけで問題ありません。 前回のカットは「-BG」レイヤーに、テクスチャはレイヤー「C」、ノイズは「D」枠は「E」と、それぞれセルバンクと同じレイヤーに自動入力しておきます。

 

 

(2)仕上げをする2

1.背景を複製する

さて、ここから少し特殊な事をします。 「A」レイヤーと「B」レイヤーのセルバンクを「-BG」に変更し、それぞれ自動入力でセル番号を入力します。 下図の通り、[-BG]と[A]と[B]が、全部同じセルバンク「-BG」の設定になっていますね。

 

つまり今、「同じ画像のレイヤーが3枚重なった状態」になっている訳ですが、この複製こそ仕上げのエフェクトのコツなのです。

 

POINT

今回のカットはFIXで移動等がないので特に必要はありませんが、複製したレイヤーはセルバンク以外に、タップも共通の「-BG」に設定しておくと、レイヤーを移動させた時に、複製したレイヤーも同時に移動できるので便利です。

 

2.エフェクトをかける

「BG」レイヤー複製をした所で、エフェクトをかけていきます。テクスチャは一旦非表示にしておきましょう。一番下の[-BG]レイヤーは加工せずにそのままの状態にしておきます。

(1)[A]レイヤーにエフェクトの[フォーカス]と[色パラ]をかけます。

※フォーカス後の画像

 

上図を見ればわかるのですが、フォーカスとは、ぼかしのことです。 設定は以下の通りです。

 

(2)このままでは、ぼかした画像しか見えないので「A」レイヤーの合成モードを[オーバーレイ]に変更します。

 

 

左が通常で、右が複製をオーバーレイで合成した状態です。色が濃くなっているのがわかるでしょうか? まぁ雰囲気はあるのですが、これだと色が濃すぎますね。

(3)というわけで、透明度を調節します。 透明度の調節の方法は、移動の時とあまり変わりはありません。 タイムシートで表示パラメータ[透明度]を選択し、透明度の値を打ち込みます。 透明度の調節をしたら、RAMプレビューを行ってみて下さい。

 

 

左が元で、右が調整後です。少しだけ色が深くなっているのはわかるでしょうか?

(4)続いて、もう一枚複製したレイヤー「B」にエフェクト[グラデ彩色]をかけます。 これは前回の講座でも説明しましたが、レイヤーの明暗や濃淡をそのままに、複数色のグラデーションをかけられるエフェクトです。

 

ですが、「B」レイヤーにこれを適用してそのまま使うと、完全にセピアになってしまうので、「B」レイヤーの透明度を70%まで下げます。

 

左から、原色、透明度100%、透明度70%です。
ちなみに何故こんな面倒くさい事をするかというと、映像を見た方はわかるかと思いますが、短いアニメーションなので、前半と後半に大きくメリハリを付けたかったからです。 後半は青空で彩度が高いので、反対に前半は彩度を落とし古いフィルムのようなノスタルジックを感じる画面を心がけてこんなに面倒なエフェクトをかけています(笑) それにあわせて、前半の音もラジオ調に加工しています。

(5)70%グラデ彩色だけではなんだか単調なので、色パラもかけることにします。

 

[B]レイヤーに緑に設定した[色パラ]を追加し、さらに紫の色パラも重ねます。

 

左から70%グラデ彩色、色パラ緑、色パラ緑+紫です。 2色目は下の方にちょこっとだけかけるのがコツだとか思ってます。

3.テクスチャを重ねる

これに、非表示にしておいたテクスチャをもう一度重ねます。

 

左がエフェクト前、右がエフェクト後です。
エフェクトだけで、ここまで変わります。筆者はこれが編集の面白い所だと思うのです。 いや、それ以外も面白い所はいっぱいあるのですが(笑)

 

(3)確認と書き出し

1.音声を追加する

これが正式な採用カットなので、音声を追加します。 この時音声の開始時間をカットの頭とずらしている場合は、それにきちんと合わせて下さい。 でなければ、せっかくの口パクと声がずれてしまいますよ!

 

すでに解説した通り、上部の+/-ボタンで音声の開始位置を調節できます。

2.RAMプレビューしてみる

 

再度、RAMプレビューをしてみましょう。RAMプレビューで映像も音声も問題なければ、書き出します。

3.書き出す

[ファイル]メニュー→[書き出し]を選択します。 [書き出し]ダイアログが表示されたら、ファイルタイプ「QuickTime Movie」を選択し、[詳細設定]ボタンをクリックします。 [動画書き出し]ダイアログで[サウンドを出力する]をチェックしておきます。 この設定をしておかないと音声は出力されません。

 

その他の設定は上図を参考にしてください。設定を変更したら書き出しましょう。 [書き出しキュー]に処理中の情報が記載されます。

 

 

(4)最後に

これでほとんどの工程は終わりです。どうだったでしょうか? CoreRETASでの編集を終えたら、別のソフトで書き出したカットを一本の動画にまとめ、効果音をつけ音楽を入れて仕上げます。それで、アニメが完成します。 筆者のアニメの作り方はこういった感じです。

もう一度簡単にまとめると、

①何を作るか決める・アイデアを出す

②シナリオを書く・キャラクターを作る

③絵コンテを描く(飛ばすこともある)

④声を頼む・音楽を探す

⑤作画する

⑥背景を描く

⑦彩色する

⑧編集する
タイムシートを打つ

背景を合成する

動かす

エフェクトをかける

書き出す

⑨まとめの編集をする

こうやって改めて工程をまとめるといかにも大変そうに思えるのですが、(しかも自主制作なので全部一人でやらないといけません) いやぁ、まぁやり始めたら夢中になって何時間もパソコンに向かってしまったり、そういう事きっとあると思います(笑) アニメーションを作るのは楽しいです。それと、出来たときはやっぱり嬉しいです。 嬉しいというより「やっと終わった……!」という解放感も結構あるんですがね!ほんと! RETAS STUDIOという便利な物がある人は是非。

無い人も、体験版を使って是非、アニメーション作りにチャレンジしてみて下さい。 体験版の使用期間は30日間なので、「30日以内にアニメーションを一本制作する」をテーマに短い物でも作ってみるといいかもしれません。 「30日」から逆算して、何秒なら可能か、15日までに作画を終えるなど、スケジュールを考えて作るのも、一つの手です。 頭の中にある面白い物語を、誰かに見せる為に。

この講座を読んで、少しでも自主制作アニメーションに興味を持って貰えたら嬉しいです。 そしてこちらの世界に入って来て、いつかお会い出来る日を楽しみにしています。

それでは、長い間つたない講座におつきあい頂いてありがとうございました。
お疲れさまでした!

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