3.棒人形のポーズ

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30    作家 : ブンサダカ
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少し専門的な話しをしますと、今回読み込んだファイルはいつも使用している[lwo]形式ではなく[lws]形式と呼ばれる3Dファイルです。[lws]形式には関節の構造などが入っています。今回の場合、手、足、頭、体といった数種類の3Dファイルを人間の形にまとめたものだと考えて大丈夫です。
[3Dワークスペースプロパティ]には、階層状に並ぶ体のパーツが見られます。

 

一番上の[棒人形.lwo]というパーツは腰の部分です。このパーツが一番「親」なのです。リアルの人間の体もこの腰の部分が軸だと言えるでしょう。腰パーツの下の[腹.lwo]は、[棒人形.lwo]の子供であり、一個下の階層になります。以下[胸.lwo]→[首.lwo]という具合に親子関係(階層)が下がっていきます。

 

「親子関係」と言われてもいまいちピンと来ない人も、棒人間を動かしてみればわかると思います。では棒人形のポーズを変えてみましょう。

1.棒人形のポーズ変更手順

①まず全体を動かしてみましょう。[棒人形.lwo]を選択すると腰の部分が選択されます。腰の部分は全ての構造の親なので、このパーツを移動すれば全体が移動します。試しに、[3Dマニピュレータ]の緑矢印[左右]でこのパーツをやや左に移動してみましょう。

 

②[棒人形.lwo]を回転すれば全体が回転します。[3Dマニピュレータ]の赤リング[水平]を奥側にまわして、棒人間全体がやや画面の右側を見るようにします。

 

③右腕をあげてみましょう。右腕の中の一番の親パーツは[右腕1.lwo]なので、[3Dワークスペースプロパティ] の[右腕1.lwo]を選択します。もちろん画面上の動かしたいパーツをクリックしても、選択されますが、複雑な階層構造になるほどパーツが重なって選択しにくいので、[3Dワークスペースプロパティ]のオブジェクト名をクリックしたほうが確実です。

 

④[右腕1.lwo]を[3Dマニピュレータ]の青リングをつかんで右腕全体をやや広げます。

青リング [左右]が腕を羽ばたくようにぱたぱたさせる方向です。

 

⑤さらに[右腕1.lwo]を[3Dマニピュレータ]の緑リングをつかんで右腕全体を前に少しだけ回転させます。
緑リング [垂直]が腕を行進させるように前後にふる方向です。

 

⑥[右腕2.lwo]を選択し、[3Dマニピュレータ]の青リングを使ってひじを曲げます。

 

⑦最後に[右手2.lwo]を選択し、[3Dマニピュレータ]の青リングを使って回転します。

 

⑧右腕のポーズがつきました。ちょうど何かを紹介する時の手のポーズですね。

 

⑨足も腕と同様です。どちらも付け根のパーツから先に回転させ、最後に先端のパーツを回転させていけばいいのです。このように手足は基本的に[回転]を使用して、ポーズをつけていきます。

 

一番親の[棒人形]パーツ以外に[移動](マニピュレータの▼印ドラッグ)を用いるとパーツがバラバラになってしまいます。

 

⑩左腕や足も同様に動かせます。これらの操作を応用すれば、下図のようなポーズも作れます。挑戦してみてください。

 

2.ポーズ保存手順(コミスタのみ)

①コミスタでは作ったポーズを保存しておく事が可能です。ポーズが出来たら、[3Dワークスペースプロパティ]のアイコンをクリックします。

 

②ファイル名をつけて、[ファイルの種類]が[ComicStudio 3dDialog(*.csd)]になっているのを確認して[保存]ボタンを押します。

 

※イラスタではこの方法でポーズを保存できません。ページデータとして保存しておくか、素材パレットに登録しておくことで、代用できます。

作者プロフィール:ブンサダカ

幼少期をロサンゼルスで7年ほど過ごした事から、若い時期はウォルトディズニーカ ンパニーで絵を学ぶ。帰国後、CD-Iのグラフィック業務を通じて、川上陽介氏(セルシス創業者)と出会う。業務としては映像ディレクションからプログラミング、CG製作、実写合成まで行う。 数多くの著名なTVCM,音楽プロモーションビデオ,映画に3Dアーティストとして参加している。テクニカルライターやイラストレータとしてもCG関係雑誌に記事や連載の執筆を20年近く持ち続けている。また東放学園映画専門学校デジタルアニメーション科の講師もつとめる。現在某大型アニメ映画のスタッフとして活動中。

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