構図を決める -3Dデッサン人形3-
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使用したバージョン:CLIP STUDIO PAINT Ver.1.6.0
こちらの記事の内容は、CLIP STUDIO PAINT Ver.1.7.3以下に対応しています。
最新版での操作については、CLIP STUDIO TIPSに掲載されている以下の記事をご覧ください。
[1]小物の貼り付け
[2]操作する3D素材の切り替え
[3]小物を持たせる
[4]レイアウトの決定
[5]下絵の完成
前回、前々回に引き続き、スケッチをもとに3Dデッサン人形を使って下絵を作る方法を解説します。
※前回、前々回の講座(3Dデッサン人形の基礎 -3Dデッサン人形1-、
ポーズを付ける -3Dデッサン人形2-)を読んでいない方は、そちらを先に読んでください。
3Dデッサン人形のポーズが決まったら、小物を持たせたり、アングルを微調整したりし、最終的な構図を決めます。
[1]小物の貼り付け
小物として使える3D素材(3Dオブジェクト)は、[素材]パレット→[3D]→[小物]に収録されています。
今回は、キャラクターに持たせるペン用に「ボールペン(赤)」を使用します。
3Dデッサン人形同様、キャンバスにドラッグ&ドロップで3Dオブジェクトを貼り付けることができます。
貼り付ける時に3Dデッサン人形が配置された3Dレイヤーを選択していると、そのレイヤーの3D空間内に3Dオブジェクトが配置されます。
※3Dレイヤーを選択していない時は、新規の3Dレイヤーが作成されます。
[2]操作する3D素材の切り替え
3D空間内に複数の3D素材が存在する場合は、操作する3D素材を切り替える必要があります。
[オブジェクトランチャー]の[前の3Dオブジェクトを選択]、[次の3Dオブジェクトを選択]ボタンをクリックすると、操作する3D素材を切り替えることができます。
素材と素材の距離が離れている場合などに操作する3D素材を切り替えると、キャンバス内に表示されない場合があります。
そのような場合は、[オブジェクトランチャー]の[編集対象を注視]ボタンをクリックすると選択している3D素材がキャンバスの中心に来るように視点が変更されます。
また、3D素材を選択している状態で[編集]メニュー→[消去]や[delete]キーで消去することができます。
[3]小物を持たせる
3D空間内で追加したボールペンの位置や角度を動かし、3Dデッサン人形の左手に持たせます。
・3D素材の移動方法
3D素材の位置を3D空間内で動かすには、[移動マニュピレータ]などを使用します。
①3D素材の移動
ボタンをドラッグすると、3Dデッサン人形や3D小物の位置を3D空間内で動かせます。
3D小物の場合は、直接ドラッグすることでも動かすことができます。
視点によって奥行き方向の移動量が変わります。
真横からの視点の場合は奥行き方向には動かず、真上もしくは真下からの視点の場合は高さ方向には動きません。
斜め上もしくは斜め下からの視点の場合は、視点の角度に応じて奥行き方向の移動量が変わります。
②3D素材を縦方向に回転
ボタンをドラッグすると、3D素材が現在の視点に対して縦方向に回転します。
③3D素材を横方向に回転
ボタンをドラッグすると、3D素材が横方向に回転します。
④3D素材をベースにスナップ
ボタンをドラッグすると、3D素材が3D空間の地面に接地しながら奥行きと横方向に動かすことができます。
⑤接地
[オブジェクトランチャー]の[接地]ボタンをクリックすると、3D空間の地面に接する高さまで3D素材が移動します。高さ以外の方向には動きません。
・3D素材をデッサン人形に持たせる
ボールペン(赤)の位置をおおまかに左手の近くに動かします。
奥行きなどの位置は [ツールプロパティ]パレット の[位置]スライダーで調節するか、または[ルートマニピュレータ]で調整します。
・角度や大きさの微調整
さらに角度やボールペンの大きさなどを微調整します。
3Dオブジェクトをクリックすると、[マニピュレータ]が表示され、3Dデッサン人形のパーツと同様に角度を変更できます。
3D素材は、[ツールプロパティ]パレット→[オブジェクトスケール]のスライダーをドラッグして大きさを変えることができます。
ボールペンの位置や角度、大きさを調節し、3Dデッサン人形の左手に持たせました。大きさはデッサン人形の手のサイズにあわせてやや大きめにしています。
[4]レイアウトの決定
3D空間内のすべての小物が配置できたら、下絵にするためのレイアウトを決定します。
イメージに合わせてカメラを操作し、アングルを変更します。
・カメラ演出用の便利な機能
視点、構図の調節は[移動マニピュレータ]でカメラを移動させるほか、[ツールプロパティ]パレットのパラメータも使用できます。
①パース
[ツールプロパティ]パレット→[カメラ]の[+]ボタンをクリックして表示される、[パース]のスライダーをドラッグすると、遠近感を出すことができます。
手前に位置する3D素材の大きさを強調したい場合などに有効です。
②ロール
[ツールプロパティ]パレット→[カメラ]→[ロール]のスライダーをドラッグすると、3D空間全体が回転します。
③マンガパース
[ツールプロパティ]パレット→[マンガパース] にチェックを入れてスライダーをドラッグすると、マンガ的に強調されたパース表現をつけられます。
④輪郭線の幅
[サブツール詳細]パレット→[環境]→[レンダリング設定] で3D素材の輪郭線の幅や影の設定を変更できます。
カメラアングルや[パース]や[ロール]を調節して、レイアウトが決定しました。
CLIP STUDIO PAINTでは、他にも[3Dキャラクター素材]や[3D背景素材]などの3D素材も収録しています。
3Dキャラクター素材
[素材]パレット→[3D]→[キャラクター]に収録されています。3Dデッサン人形と同様に人間のポーズをつけられます。
体型の変更はできませんが、表情や髪型、服装などのデータを複数持つことができ、それらを切り替えて使用することができます。
CLIP STUDIO PAINT Ver1.6.0より、[アニメーションコントローラー]が搭載されました。従来よりも直観的に操作することができます。
3D背景素材
[素材]パレット→[3D]→[背景]に収録されています。背景として使用できる大型の素材で、他の3D素材を配置できます。
3D空間内の移動やサイズの変更はできませんが、壁色などの変更や、窓や扉、塀などの部品操作、部品の有無の切り替えなどができます。
[5]下絵の完成
レイアウトが決定したら、3Dレイヤーの操作は完了です。
意図せず[オブジェクト]ツールで3Dレイヤーをドラッグしてしまい、視点やポーズを変更してしまうことがあります。
[レイヤー]メニュー→[レイヤー設定]→[レイヤーをロック]でロックしておくか、
[レイヤー]メニュー→[ラスタライズ]でラスターレイヤーに変更しておきます。
[レイヤーをロック]の場合はロックを解除すれば再度編集ができるようになります。
[ラスタライズ]では再編集はできなくなりますが、3Dレイヤーよりも動作が軽くなります。
3Dレイヤーの下絵をもとに、下描き、ペン入れをしました。
着色してイラストの完成です。
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