参照レイヤーを使いこなす・実践編
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※ 使用したバージョン : ComicStudio Ver.4.5.2
こんにちは火鳥と申します!
今回は[参照レイヤー]の使い方について解説します。
[1] 選択範囲の取得で活用例
漫画を描く上では、難しい構図や面倒な背景など、どうしても避けて通れない場面に多々出会います。
時にはタイミング悪く…
キャラにトーンを貼ろうとした瞬間、キャラの真上を魚群が通過することもあります。
このように作業したいレイヤーの上に邪魔なレイヤーがある場合も[参照レイヤー]の出番です。
[参照レイヤー]機能を使った選択範囲取得の活用例を見ていきましょう!
まず比較するために[参照レイヤー]を使わない例を示しました。
■参照レイヤーを設定しない場合
[マジックワンド]ツールを[複数参照]:[すべてのレイヤー]に設定して服の部分の選択範囲を取りたいのですが、魚に阻まれて一度に取得することができません。
このまま地道に魚のいない部分を選択範囲として取得していくのは大変面倒です。
その上、「ちょっと位置が気に入らない」と魚群をずらせばまたやり直しです。これは賢い方法とは言えませんね。
そこで[参照レイヤー]機能を使います!
■参照レイヤーを設定した場合
(1) 参照したいレイヤーを選択します。
今回は人物の輪郭と枠線を参照したいので下の図のように二つのレイヤーを選択しました。
(2) 選択しているレイヤーの上で右クリックをして、メニューから[参照レイヤーに設定]を選択します。
輪郭と枠線のレイヤーが[参照レイヤー]に設定されました。
レイヤーパレットでの準備はこれで完了です。
ちなみに、[参照レイヤーに設定]の隣に「\」と書いてありますが、これは第11回で説明した通りショートカットを割り当てたからです。
素早く活用するために、余っているキーがあれば[参照レイヤーに設定]を試しに登録してみましょう。
※「参照レイヤーを使いこなす・基本編」
(3) レイヤー側の設定が済んだら、次はツールの設定です。
[マジックワンド]ツールを選択し、[ツールオプション]パレットから、[複数参照]にチェックを入れ、参照先を[参照レイヤー]に設定します。
参照範囲を変え忘れることはありがち!おかしいな、と思ったら[ツールオプション]の設定を確認しましょう。
図の状態になれば、準備OKです。
これで下の図のような赤い線の部分だけ参照できるようになりました。
あとはトーンを貼りたい場所をクリックするだけで、魚群に邪魔されることなく選択範囲が取得できます。
もちろん魚群のレイヤーを一旦非表示にしてしまえば、[参照レイヤー]を設定しなくても邪魔されませんが…
ご覧のように、レイヤーが多いほど全部を非表示にしていくのは大変!また、元に戻す時も手間が掛かってしまいます。
一方「参照レイヤー」を活用する方法なら、表示/非表示を切り替える手間もありませんし、非表示にしないで済むおかげで全体を把握したまま作業ができます。
[参照レイヤー]の設定は、使い初めこそちょっと面倒に感じるかもしれませんが、実際はとても助けになる機能です。
[2] トーン貼りでの活用例
さて先程とは逆に、邪魔だった手前の魚のレイヤー、こちらにトーンを貼り付ける手順を紹介します。
(1) [矩形選択]ツールなどで、適当な場所に選択範囲を作成し、[選択範囲ランチャー]の一番右にある[新規トーン作成]をクリックします。
※[選択範囲ランチャー]が表示されていない場合、[表示]メニューから[選択範囲ランチャー表示]を選択し、表示させて下さい。
(2) [簡易トーン設定]ダイアログが表示されるので、貼りたいトーンの設定を入力し、[OK]をクリックします。
(3) 選択範囲内にトーンが貼られるので、[選択範囲ランチャー]の[クリア]をクリックます。
(4) [選択範囲ランチャー]の[選択を解除]をクリックし選択範囲を解除します。
これでどこにも貼られていないトーンレイヤーが作成できました。
■魚にトーンを貼る
(1)まず魚の線画を描いたレイヤーを[参照レイヤー]に設定し、魚の上に貼る[トーンレイヤー]を選択します。
この[トーンレイヤー]上で、[閉領域フィル]ツールを使ってトーン貼りを行います。
(2)[閉領域フィル]ツールを選択し、[ツールオプション]で下の図のように設定します。
(3)[閉領域フィル]ツールを使い、魚のレイヤー全体を囲みます。
一度の動作で、魚全部のトーン貼りを完了しました。
ちなみに、この魚の上にはトーン以外にも、同じ流れで[マスキングレイヤー]を貼り付けています。魚の下の絵が透けないのはそのためです。
[マスキングレイヤー]は、今回の講座で紹介したこの[参照レイヤー]機能と合わせて使う機会が多いと思います。ぜひ[マスキングレイヤー]の項目もご覧下さい!
※機能解説!トラの巻「マスキングレイヤーを使いこなす」
お付き合い頂きありがとうございました!
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