枠線を使いこなす 応用編2
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※ 使用したバージョン : ComicStudioEX Ver.4.5.4
[1]変わりゴマの作成
コマが別のコマに食い込むような形の、特殊な枠線は下記の手順で作成できます。
応用編での手順は[枠線定規]レイヤーで行いますが、[ラスター+(枠線定規)]を使用する場合でも操作は同様です。
(1)あらかじめ、[枠線定規]レイヤーをコマの形状に編集しておき、[レイヤー]パレットで[枠線定規]レイヤーを選択します。
(2)[ツール]パレットで[矩形]、[楕円]、[多角形]、[折れ線]の各ツールのいずれかを選択します。ここでは[楕円]ツールを選択します。
(3)[ツールオプション]パレットで、[定規に沿った線を描画]を選択し、[サイズ]の値を任意で入力します。入力した[サイズ]の値は、これから作成するコマの枠線の太さになります。
(4)[枠線定規]レイヤー上で、[楕円]ツールを使用します。すでにある枠線の上に重なるように、新たな枠線が引かれます。
(5)作成した楕円形の枠線の頂点を、[定規選択]ツールで全て選択します。
(6)[プロパティ]パレットの[枠線定規]タブを開き、[二重線化の間隔]のチェックをONにします。間隔の数値はあとで微調整するとして、ここでは適当な数値を入力しておきます。
(7)[設定を定規に適用]ボタンを押すと、枠線が二重になります。二重線化の間隔が狭かったり広すぎたりした場合は、数値を変更してからもう一度[設定を定規に適用]ボタンを押して、調整します。
(8)[レイヤー]メニュー→[レイヤーの変換]を選択します。
(9)[レイヤーの変換]ダイアログが表示されます。
[枠線定規の変換]ダイアログで選択した変換方法しだいで、コマの生成のされ方が異なります。
[枠線定規の変換]について詳しくは、機能解説!トラの巻「枠線を使いこなす 枠線定規 [3][枠線定規]の変換」を参照して下さい。
詳細は下記の通りです。
A.コマの外側を白抜きにした[ラスターレイヤー]に変換する場合
B.コマの外側を白抜きにせずに、[ラスターレイヤー]に変換する場合
C.[ベクターレイヤー]に変換する場合
D.[コマフォルダ]に変換する場合
A.コマの外側を白抜きにした[ラスターレイヤー]に変換する場合
この手順が、いちばんシンプルな方法とです。下記のように[枠線定規の変換]を実行するだけで、変わりゴマを作成することができます。
(1)[枠線定規の変換]ダイアログで、下図のように設定し、[OK]をクリックします。レイヤー名は任意ですが、ここでは「枠線」と入力しました。
(2)[レイヤー]パレットに、「枠線」レイヤーが作成されます。
[コマ枠の外側を白抜きにする]をONにしていたので、枠線の外側が白く塗られた状態でコマが生成されています。このため、枠線が交差する箇所も自動的にきれいに処理されています。
枠線の外側の白塗りを削除したいという場合は、下記の手順を行います。
(1)[レイヤー]パレットで「枠線」レイヤーを選択ます。
(2)[選択]メニュー→[色域選択]を選択します。
(3)[色域選択]ダイアログを下図のように設定し、白色のボックスをクリックします。選択範囲を作成できたら[OK]をクリックします。
(4)[編集]メニュー→[クリア]を選択して、白塗りの部分を削除します。
(5)白色の部分が削除され、透明になりました。
B.コマの外側を白抜きにせずに、[ラスターレイヤー]に変換する場合
Aの手順と同様にラスターレイヤーに枠線を変換させますが、コマの外側を白抜きにしない場合には、ひと手間加える必要があります。
(1)[枠線定規の変換]ダイアログで、下図のように設定し、[OK]をクリックします。レイヤー名は任意ですが、ここでは「枠線」と入力しました。
(2)[レイヤー]パレットに、「枠線」レイヤーが作成されます。
[コマ枠の外側を白抜きにする]をONにしていたので、枠線の外側は透明になっていますが、枠線が交差する箇所の線は残った状態でコマが生成されます。
※枠線を二重線化した領域だけは、自動的に白く塗られています。
(3)[レイヤー]パレットで「枠線」レイヤーを選択し、不要な箇所の枠線を[消しゴム]ツールなどで削除します。
(4)変わりゴマが完成しました。
[ラスター+(枠線定規)]の場合、通常の操作では[消しゴム]ツールで枠線を消す事はできません。
[ラスター+(枠線定規)]での枠線の消し方について詳しくは、機能解説!トラの巻「枠線を使いこなす_ラスター+(枠線定規) [4]枠線の消し方」を参照して下さい。
C.[ベクターレイヤー]に変換する場合
ベクターレイヤーには色を塗ることができないため、白抜きの有無のチェックはなくなります。枠線が交差した部分を調整する際には、[消しゴム]ツールの[交点までを消去]の機能を使用すると便利です。
(1)[枠線定規の変換]ダイアログで、下図のように設定し、[OK]をクリックします。レイヤー名は任意ですが、ここでは「ベクター枠線」と入力しました。
(2)[レイヤー]パレットに、「ベクター枠線」レイヤーが作成されます。
(3)[ツール]パレットで[消しゴム]ツールを選択し、[ツールオプション]パレットで、[ベクター消去]の設定で[交点までを消去]を選択し、[すべてのレイヤーを参照]のチェックをONにします。
(4)[レイヤー]パレットで「ベクター枠線」レイヤーを選択し、不要な箇所の枠線を[消しゴム]ツールで削除します。
(5)変わりゴマが完成しました。
D.[コマフォルダ]に変換する場合
コマフォルダに変換すると、枠線がコマごとにバラバラになります。コマフォルダの重なり順に気をつけながら、各コマの枠線の削除の処理を行いましょう。
(1)[枠線定規の変換]ダイアログで、下図のように設定し、[OK]をクリックします。
(2)[レイヤー]パレットに、コマフォルダが複数作成されます。
各コマフォルダの内部には新規レイヤーがあるだけで白塗りなどはされていないので、前後に重なるコマの枠線が透けて見えています。
※枠線を二重線化した領域は、自動的に白く塗られています。
(3)円形の枠線のコマフォルダ(ここでは「コマフォルダ 2」です)を[レイヤー]パレットでドラッグして、重なっている他のコマフォルダよりも上に移動します。
(4)円形の枠線のコマフォルダを[レイヤー]パレット上で展開し、自動的に中に入っている、空白のラスターレイヤーを選択し、区別がつきやすいようにレイヤー名を変更しておきます。ここでは、「白下地」と変更しました。
(5)[ツール]パレットで[閉領域フィル]ツールを選択し、[ツールオプション]パレットで、下図のように設定します。
(6)[レイヤー]パレットで「白下地」レイヤーを選択していることを確認し、[閉領域フィル]ツールを使用してコマの
内部を塗りつぶします。
(7)次に、[レイヤー]パレットで[新規レイヤー作成]ボタンを押して[新規レイヤー]ダイアログを開き、下図のように設定して、新しく[ラスターレイヤー]を作成します。レイヤー名は自由ですが、ここでは「白塗り」としました。
(8)[レイヤー]パレットで「白塗り」レイヤーをドラッグして、円形の枠線のコマフォルダよりも上に移動します。
(9)[レイヤー]パレットで「白塗り」レイヤーを選択していることを確認し、描画色を白にした[ペン]ツールなどで、 不要な箇所の枠線を塗りつぶします。
(10)変わりゴマが完成しました。
[2]枠線定規で変わり枠線
[枠線定規]レイヤーは定規レイヤーの一種ですので、描画のスナップ先に指定する事が出来ます。このことを利用して、[パターンブラシ]ツールで枠線を描画したり、枠線をトーンで表現することができます。
A.[パターンブラシ]で枠線を描画する
(1)あらかじめ、[枠線定規]レイヤーをコマの形状に編集しておきます。
(2)[レイヤー]パレットで[新規レイヤー作成]ボタンを押して[新規レイヤー]ダイアログを開き、[ラスターレイヤー]を作成します。レイヤー名や表現色は自由ですが、ここではそれぞれ「ブラシ枠線」「グレー(8bit)/トーン化」と設定しました。
(3)作成された「ブラシ枠線」レイヤーを選択します。
(4)キャンバスウィンドウ上部のスナップボタンの内、[スナップ]と[定規にスナップ]のボタンをクリックして、スナップを有効にします。
(5)[ツール]パレットで[パターンブラシ]ツールを選択し、[ツールオプション]パレットの[ツール設定メニュー]から、使用したいブラシパターンを選択します。ここでは、「ハートA」の設定を選択しました。
(6)枠線定規をなぞるように、[パターンブラシ]ツールを使用します。スナップが有効になっていますので、枠線定規に沿って描画されます。
パターンをきれいに枠線の形に並べるには、[ツールオプション]パレットで[サイズ]や[間隔]の設定を変えます。
(7)パターンブラシで枠線を引く事ができました。
B.枠線をトーンで表現する
(1)あらかじめ、[枠線定規]レイヤーをコマの形状に編集しておきます。
(2)[素材]パレットで、枠線として使用したいトーンを選択し、キャンバスウィンドウにドラッグします。ここでは、「点描うすめ」を使用しました。
選択範囲を作成していないので、トーンはキャンバス全面に貼られます。
(3)[レイヤー]パレットで「点描うすめ」レイヤーを選択し、[編集]メニュー→[クリア]を選択して、トーンをいったん削除します。
(4)キャンバスウィンドウ上部のスナップボタンの内、[スナップ]と[定規にスナップ]のボタンをクリックして、スナップを有効にします。
(5)[ツール]パレットで[ペン]や[マジック]ツールを選択し、[描画色]を[黒]にします。ここでは、[マジック]ツールを選択します。
(6)枠線定規をなぞるようにしながら、「点描うすめ」レイヤーに描画します。スナップが有効になっていますので、枠線定規に沿って描画されます。
柄物のトーンの場合、描画した範囲にきれいに表示されないことがあります。その場合は、トーンレイヤーの[プロパティ]パレットで[トーン]タブを選択し、トーンの位置や角度、使用倍率を変更してみましょう。
(7)トーンで枠線を引く事ができました。下図では、[枠線定規]レイヤーを非表示にしています。
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