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パスを使いこなす 実践編2

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/29    作家 : 杉山ゆずき
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※使用したのバージョン : ComicStudioEX Ver.4.5.4

[1]パスの作成-体&髪
[2]パスの作成-小物
[3]線の転写と調整

 

[1]パスの作成-体&髪-

(1)パスを作成する-体-

引き続き、体のパスを作成していきます。

まずは、体用の2bitのベクターレイヤーを作成しますが、体は面積も大きいですし重なり合う線が多いので、作業の効率を考え適当な箇所でレイヤーを分けましょう。

というわけで、この絵では左腕でちょうど線が分割されているのを利用して、上半身と下半身というレイヤーの分け方にしました。もちろん、レイヤーはもっとたくさん作っても構いません。この絵で言うと、右腕も別レイヤーにしてもいいかもしれません。

パスの作成手順は顔と同じです。線が交差する部分は思いきって交差しても良いですし、線に重なるように頂点を調整しても良いです。

この講座では、見た目が煩雑にならないように、線の上に頂点を重ねて作成しています。線を交差させて作る場合は、ベクターレイヤーに線を転写した後で[消しゴム]ツールで削除して下さい。

では、首から順に作成していきます。

一筆で作成できないような長い線は、何本かの線に分割して作成し、後から線を結合させます。

2本の線の端の頂点を選択し、[定規]メニュー→[選択中の頂点を結合する]を実行します。

どんどん作っていきます。

服のしわの一部は、[定規に沿った線を描画]のパスではきれいに線が出なかったので、手描きで仕上げることにしました。[定規に沿った線を描画]は、作成したパスの面積が小さいと、下図のように角が丸くならずに角張ってしまいます。

上半身のパスが完成しました。

下半身も同様の手順で作成します。

新規に下半身用の2bitのベクターレイヤーを作成し、地道にパスを作成していきます。

服のしわは一見するとすごく面倒くさそうですが、実は頂点の数はかなり少ないので、やってみるとわりと簡単に作成できます。

下半身のパスが完成しました。

 

(2)パスを作成する-髪

さて、次は髪の作成です。
まずは、これまでの手順通りに新規に髪用の2bitのベクターレイヤーを作成します。

絵柄にもよりますが、髪は線が多く、しかも毛先が尖っていたりするので、パスで作るのはやや難易度が高そうにも思えます。実際、髪の房を一筆のパスで作成しようとすると、尖っている部分の処理が少々面倒くさくなります。

そこで、尖っている髪の場合は2本のパスを作成し、尖っている側の頂点を近づけて、見た目的にはつながってるように見える…というごまかし方をします。この際、頂点を結合しなくても構いません。

もちろん一筆でパスを作成することもできますが、工程としてはこれが一番簡単だと思います。

なお、毛先が尖っていない短冊形の髪の場合は、3本のパスで構成します。

頭頂部などの大きなカーブの場所では、頂点はなるべく少なく配置し、ハンドルを大きく伸ばしてパス形状を作っていきます。ただ、あまりに頂点が少なすぎると思い通りのラインが引けないこともありますので、気持ち少なめ程度を意識して、きれいなラインが引けるかどうかを最優先に作業します。

線がたくさん交差している箇所は、交差した状態のままパスを作成した方が楽ですし、きれいな線を作成できます。

この後の工程でベクターレイヤーに転写しますので、その段階で不要な線を削除します。

髪のパスが完成しました。

 

[2]パスの作成-小物

(1)パスを作成する-小物

残りのパス作成は、女の子が座っている台座と、手のひらの上の小物だけです。
これまでの手順通りに、新規に小物用の2bitのベクターレイヤーを作成します。

ここまでのノウハウを活かして、さくさくとパスを作成していきます。
台座のパスが完成しました。

小物のパスも完成です。

右側の茎の葉っぱはきれいに線が出なかったので、手描きで仕上げることにします。

これで全てのパスの作成が終わりました。

 

[3]線の転写と調整

パスを作成したことで線画が描画されています。この線画を[消しゴム]ツールで消そうとしても消えません。 この線はベクターレイヤーにパスを作成して描いた線ですが、実はベクターレイヤーに描画されていません。

この線はベクターレイヤーの“サブ定規レイヤー”に描画されています。
作業とは関係ありませんが、パスで描かれた線の仕組みを知るためサブ定規レイヤーを表示してみましょう。

 

(1)パスで描画したレイヤーを選択します。

(2)[プロパティ]パレットの[レイヤー]タブにある[サブ定規:レイヤー化]にチェックを入れます。

するとベクターレイヤーの下にサブ定規レイヤーが表示されます。

(3)サブ定規レイヤーを非表示にすると、線画も非表示になり、このサブ定規レイヤーに線画が描画されていたことがわかります。

このようにサブ定規レイヤーに描画されている線は消すことができません。

線画の不要な個所を消すため、線の太さを調整するために、定規に描かれている線をベクターレイヤーに直接描画します。

 

(1)パスをレイヤーに転写する

ここからはパスから離れて、ベクターレイヤー上での作業になります。
まずは、作成したパスをそれぞれのベクターレイヤーに線として転写させていきます。

どのパーツから始めても構いませんが、ここでは「顔」を例に挙げてみます。
とりあえず、「顔」レイヤーを選択します。

次に、[プロパティ]パレットの[定規]タブを選択します。[定規]タブの[線幅]などの設定はパスを作成した時の設定になっています。

[線幅]や[入り]・[抜き]の設定を変更して[設定を定規に適用]を選択すると、表示されている線の状態が変更されます。
変更したい場合は変更後に、変更しない場合はそのまま[レイヤーに直接描画]を選択します。

線の入り抜きはこの後の工程でも調整できるので、ここでは線幅にだけ留意します。

[レイヤーに直接描画]を実行した段階ではまだ、画面の見た目の変化はありません。

[プロパティ]パレットの[レイヤー]タブに切り替え、[サブ定規]の[表示しない]のチェックをONにします。

これで、サブ定規レイヤーに作成されていたパスは非表示になり、ベクターレイヤー上に転写された線だけが見えていることになります。

この操作を、全てのパーツに対して行います。

 

(2)不要な線の削除

次に行うのは、線の調整です。
まずは、不要な線を削除するところから始めましょう。[消しゴム]ツールを全てのレイヤーを対象に使用して、重なっている線を消します。

[消しゴム]ツールの[ツールオプション]で[交点までを消去]を選択し、[すべてのレイヤーを参照]のチェックをONにします。

[消しゴム]ツールで不要な線を削除します。「顔」レイヤーを例に説明します。

下図の耳の部分は髪に隠れる場所なので、線が不要です。

「顔」レイヤーを選択し、不要な線の部分を[消しゴム]ツールで消します。[すべてのレイヤーを参照]にした[交点までを消去]なので、「髪」レイヤーに重なる部分までが消去されます。

この作業を全ての不要な線に対して行います。全て終えた状態が下図です。

 

(3)線幅の調整

このままでは線がのっぺりとしすぎていて味気ないので、[線幅修正]ツールを使用して、各パーツの線を太くしたり細くしたりして線に強弱を付けます。

好きなように[線幅修正]ツールを使用して、線に味付けしていきます。

全ての線に強弱を付け終えました。

線幅修正ツールの使い方は機能解説!トラの巻「ベクターレイヤーの便利な機能を使いこなす 基本編 [6] 曲げる!太らす!移動する!」をご覧ください

 

(4)絵の仕上げ

いよいよ最後の作業です。

まずは、パスで作成できなかった箇所や、見返して物足りないなと思った所に、[ペン]ツールで加筆します。細かい作業がやりにくいようなら、ベクターレイヤーをラスターレイヤーに変換しても良いでしょう。

最後にトーンを貼ったり、ホワイトを入れたりしたら絵の完成です!

作者プロフィール:杉山ゆずき  (サイトURL:http://yuzukiya.sakura.ne.jp

ComicStudio暦6年くらいの同人作家。
萌えな娘さんを描くのが好きですが、趣味は戦争ゲームとかエモな洋楽など…なんか萌えじゃないですね。

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