14.フィルタによる色の調節
閲覧数 : 7411回 総合評価 : 3件
IllustStudioの[フィルタレイヤー]を使って、すでに塗ってある色を変えたいと思います。フィルタ効果は描画したレイヤーに直接かけることもできますが、[フィルタレイヤー]を使用すると、元の色に戻したり、何度でも色を変更したりできるので便利です。
[フィルタレイヤー]は、効果をかけたいレイヤーの上に重ねて使用しますが、普通に重ねるだけでは下にあるレイヤーすべてに効果が適用されてしまうため、他の部分に影響しないように色を変えたいレイヤーの上に重ね、下のレイヤーにクリッピングさせて使用します。
※フィルタレイヤーの使い方や効果について詳しくは、機能解説!トラの巻「フィルタレイヤーとフィルタフォルダ」や「フィルタの使い方~色調補正~」をご覧ください。
■フィルタレイヤーの作成方法
(1)フィルタレイヤーは、[レイヤー]メニュー→[新規フィルタレイヤー]→任意のフィルタレイヤーを選択すると作成できます。
※[マスク(全領域を表示)]、[マスク(全領域を隠す)]フィルタレイヤーは、[下のレイヤーでクリッピング]機能を使えません。
(2)作成されると同時に選択したフィルタレイヤーのダイアログが表示されます。それぞれのスライダーを動かして色味等を調整します。
下部にある[プレビュー]にチェックを入れておくと、キャンバス上で色の変化を確認できます。
(3)確定した後に、再度色を調整したい場合は、[レイヤー]パレットのアイコンをダブルクリックしてダイアログを表示させます。
フィルタ効果を取り消したい場合は、レイヤーを削除するか、またはレイヤーの目のマークをクリックして非表示にします。
(4)今回は、フィルタレイヤーを色を変えたいレイヤーにクリッピングさせて使用します。
フィルタレイヤーを色を変えたいレイヤーの上に重ねたら、フィルタレイヤーを選択した状態で[レイヤー]メニュー→[下のレイヤーでクリッピング]を選択します。
[下のレイヤーでクリッピング]に設定すると、レイヤーアイコンの左側に赤い縦線が表示されます。
色を調整する前と後ではこのように変化しました。
どのように調整したのか、詳しく解説します。
1.スズメと空:[明るさ・コントラスト]フィルタレイヤー
スズメと空の色を、[明るさ・コントラスト]フィルタレイヤーを使って調整します。
元の色が少し暗く、目立っていなかったので、[明るさ・コントラスト]フィルタレイヤーをそれぞれのレイヤーにクリッピングし、ダイアログで数値を上げるように調整しました。
2.右側の家の屋根:[トーンカーブ]フィルタレイヤー
右側の家の屋根の色を[トーンカープ]フィルタレイヤーを使って調整します。
屋根の色が土とほとんど同じできれいに見えなかったため、 [設定]の「RGB」と「Red」をそれぞれ下図のようにグラフの中心からやや左上に持ち上げて、明るさを上げつつ赤くしました。
3.家の壁:[明るさ・コントラスト] [トーンカーブ]フィルタレイヤーの組み合わせ
屋根の光を強調するために、壁は若干暗くします。
[明るさ・コントラスト]フィルタレイヤーで明るさを下げ、壁が暗くなるようにします。同時にコントラストも少し下げて、もともと暗かった窓の内側の色が黒くなりすぎないようにしました。
また、周りと比べて少し青みがかっていて、画面になじんでいなかったので、[トーンカーブ]フィルタレイヤーで「Red」と「Green」を少しだけ上げています。
4.車止めと階段の手すり:手軽に塗りつぶし
手すりが水たまりやスズメよりも目立ってしまわないように、思い切って錆がほとんど見えなくなるくらい薄くなるよう調整します。
ここはフィルタレイヤーを使わず、白っぽい色で塗りつぶしたラスターレイヤーを、不透明度を80%程に下げて重ねました。
※陰影まで薄くならないように、「陰影」レイヤーの下に配置します。
コメント