5.本塗り(1)瓦礫・焚き火
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5.本塗り(1)瓦礫・焚き火
ここから本格的にものの形を整えたり、質感を出したりしていきます。
まずは瓦礫から描いていきます。瓦礫だけは質感を変えたほうがいいかなと思い、新しくパターンとブラシを用意してみることにしました。
パターンはブロック塀の写真を色調補正したものです。
[水彩]ツール→[油彩筆]に使ったパターンを細かくしたようなものを選びました。
画像を開き、[編集]メニュー→[素材の登録]→[画像をパターントーン素材に登録]で登録します。
ブラシは[水彩]ツール→[油彩平筆]を選択し設定しました。
明るくしたい場所を適当に選んで塗っています。
もう少し雑多な色を出していきたいので、レイヤー合成、[トーンカーブ]などで、試行錯誤してみます。色々試しましたが、最終的にこうなりました。
[瓦礫塗りのコピー]
今まで塗りこみや補正をしていたレイヤーです。合成モードを[オーバーレイ]にしています。
[瓦礫平筆塗り]
油彩平筆で塗っている、新規作成したレイヤーです。不透明度70%にしています。
[瓦礫塗り]
残しておいた保存元のレイヤーです。不透明度を下げて、背景の色も少し映しこんでいます。
保存元のレイヤーを最後まで取っといているのは、時折レイヤー合成に流用するためでもあります。
そろそろ線画も必要なくなってきたので外しました。
焚き火の明かりはぼんやりともる程度にしました。
焚き火レイヤーには火の芯をのこしています。
焚き火のあかりは、不透明度を40%にしてやわらかくした[消しゴム]ツールで削っています。
焚き木にも描きこみます。
焚き木は瓦礫と同じレイヤーに描いていましたが、切り離しました。
レイヤー構成は瓦礫と同じで3枚重ねにしています。
[焚き木のコピー]
今まで塗りこみや補正をしていたレイヤーです。
[焚き木平筆]
油彩平筆で木肌を描き込んでいます。
[焚き木]
保存元のレイヤーです。透明度はそれぞれ変更しています。
「描画レイヤーを複製して(試行錯誤して)重ねる」手法は、私の常套手段です。いつもの流れとしては、色調を変えたい描画レイヤーをまず複製して、レイヤーの合成モードを選びます。適当な合成モードで重ねながら、[トーンカーブ]で色調補正したり、不透明度を変えたり、マスクをかけてみたり、さらに複製して他の色を挟んで重ねてみたりして、望みの色調を探します。さまざまな効果をだしながら試行錯誤しやすく、とてもお世話になっております。
とはいえ、[オーバーレイ]で重ねる場合が圧倒的に多いです。
[オーバーレイ]は明るい部分をより明るく、暗い部分をより暗く表示してくれます。
不透明度で調節しつつ、少し描画色を濃くしたい場合につかっています。
機能解説!トラの巻「レイヤーの合成モードの使い方」
舞台中央の瓦礫の破片も「描画レイヤーを複製して重ねる」で、他の瓦礫たちと色調をあわせています。
全体を確認してみましょう。
空が明る過ぎるので、もう少し日を傾けておきます。
背景レイヤーは、まだ元の状態を保持したまま描き込みたかったので、フィルタレイヤーを使うことにしました。
[レイヤー]パレット→[新規フィルタレイヤー作成]ボタンをクリックし、[トーンカーブ]を選択します。
少し暗くして赤と黄味を増やします。
[グラデーション]ツールで[トーンカーブ]のフィルタレイヤーにグラデーションをかけて、右の空の色を少し残します。
特に[グラデーション]ツールの設定はいじっていません。
フィルタレイヤーは、重ね順が下のレイヤー全てに影響を与えてしまうので使いどころが難しい気もしますが、元画像を保持したまま効果を適用できたり、効果を何度でも設定できたりと、利点も多く、レイヤーフォルダの中にフィルタレイヤーを作成すれば、その影響をフォルダ内に限定できるという手もあります。まだ効果は適用したくないけど雰囲気を確認しながら作業を進めたい場合などによく使っています。
機能解説!トラの巻「フィルタレイヤーとフィルタフォルダ」
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