パターンブラシツールの使い方

[パターンブラシ]ツールの使い方とカスタマイズ方法を紹介します。

[1]ツールセットとツールオプション

[パターンブラシ]ツールは、さまざまな画像などのパターンを連続して描画できるツールです。

[ツールセット]パレットには、あらかじめたくさんの設定が用意されています。
初期設定のツールセットから[ブラシ形状(パターン)]や[描画スタイル]など、[ツールオプション]の設定を変えることで、いろいろな表現のブラシにカスタマイズできます。

1.ツールセットの使い方

[ツール]パレットで[パターンブラシ]ツールを選択すると、[ツールセット]パレットの内容もパターンブラシ対応するものに更新されます。 [ツールセット]パレットから任意のブラシを選択して、キャンバスをドラッグすると、指定したパターンが描画されます。

[パターンブラシ]は設定次第で全く異なるブラシになるので、選択したツールセット次第で用途や描き味が大きく異なります。

登録されているブラシパターンの表現色の設定が[黒(1bit)]・[黒白(2bit)]・[グレー(8bit)]の場合([ツールセット]のアイコンが黒またはグレーで表示されている)は、選択中の描画色で描画されます。表現色の設定が[カラー(32bit)]の場合([ツールセット] のアイコンがカラーで表示されている)は、ブラシパターンの色がそのまま描画されます。

2.ツールオプションの設定

[ツールオプション]で、ツールの詳細な設定ができます。
全ての設定項目を表示するには[ツールオプション]下部の[全てのパラメータを表示する]をクリックします。

①[サイズ]：ブラシのサイズ(線の太さ)を変更します。

②[不透明度]：描画の不透明度を変更します。

③[硬さ]：ペン先の周辺部での効果の強さを変更します。数値が低いほど、フチをぼかします。
[形状]リブ→[ブラシ形状]が[円]の場合のみ、この項目が設定できます。

④[ブラシ形状]：ブラシパターンを選択します。クリックすると[ブラシパターン変更メニュー]が表示され、ブラシパターンを指定できます。

⑤[厚み]：ブラシパターンの厚みを変更します。

⑥[向き]：ブラシパターンの向きを0から360までの角度で設定できます。

⑦[範囲]：ブラシパターンの向きが変化する範囲を設定します。⑪で、ブラシパターンの向きが変化する設定にしている場合に指定できます。

⑧[刻み]：ブラシパターンの向きが変化する角度の刻みを設定します。⑪で、ブラシパターンの向きが変化する設定にしている場合に指定できます。

⑨[描画スタイル]：ブラシパターンの描画スタイルを設定できます。

⑩[間隔]：ブラシパターンを描画する間隔の設定を選択します。[間隔]を[固定]に設定した場合のみ、描画間隔を任意の値に変更できます。数値が大きいほど、パターン(点)ごとの間隔が離れて表示されます。

⑪[散布]：[描画スタイル]で[スプレー]を選択した場合に、ブラシパターンを散布する範囲を設定します。
数値が大きいほど、広範囲に散布されます。

⑫[密度]：[描画スタイル]で[スプレー]を選択した場合に、ブラシパターンを散布する密度を設定します。
数値が大きいほど、ブラシパターンの密度が高くなります。

⑬[アンチエイリアス]：アンチエイリアスのオン／オフを設定します。

※各オプション項目についてくわしくは、IllustStudioユーザーガイドをご覧ください。

※補正に関する設定項目については、IllustStudio機能解説！トラの巻「ツールオプションを使いこなす」を、質感に関する設定項目については「水彩ツールを徹底解剖」で詳しく紹介しています。参考にしてください。

[2]描画の印象を大きく変える設定項目

1.描画スタイル

同じブラシ形状を選択していても、[ツールオプション]の[描画スタイル]を変更することによって、描画の印象は大きく変化します。
[描画スタイル]は4種類あり、それぞれ以下のように描画できます。

①[ペン]：ペンのストロークに従って、ブラシパターンがペンのようにつながった状態で描画できます。

②[スタンプ]：ペンのストロークに従って、ブラシパターンがスタンプのように連続した模様として描画できます。

③[スプレー]：ペンのストロークに従って、ブラシパターンがスプレーを散布するような状態で描画できます。

④[リボン]：ペンのストロークに従って、ブラシパターンの形状が変化し、自然に連続した模様が描画できます。

2.描画スタイルとブラシ形状の組み合わせ

[描画スタイル]と[ブラシ形状]の組み合わせによって描画の種類はますます増えます。
どんな設定でどんな描画ができるのか設定に迷ったら、あらかじめ登録されている[ツールセット]の設定を[ツールオプション]で確認してみるといいでしょう。

また、ブラシの[サイズ]や[不透明度]、ブラシパターンの[向き]の設定などによっても、描画の印象は変わります。

3.ブラシパターン変更メニュー

[ツールオプション]の[ブラシ形状]をクリックすると表示されるメニューです。ブラシパターンを選択したり、パターンブラシの描画方法を設定したりできます。

①[現在の設定]：現在設定されているブラシパターンです。

②[パターン素材集の一覧]：クリックすると、パターン素材集のカテゴリを選択できます。

③[パターン素材集のリスト]：②[パターン素材集の一覧]で選択したパターン素材集に登録されているブラシパターンが表示されます。ここから指定したいブラシパターンを選択してクリックすると、ブラシパターンの変更が確定します。

④[メニュー表示]：③[パターン素材集のリスト]の表示順序や表示方法を設定できます。

⑤[繰り返しタイプ]：②[パターン素材集の一覧]で[定型]以外を選択した場合に表示されます。ブラシパターンの繰り返しタイプを設定できます。

⑥[パターン素材集の編集]：クリックすると[パターン素材の管理]ダイアログが開きます。詳しくは次項をご覧ください。

⑦[多角形の編集...]：②[パターン素材集の一覧]で[定型]を選択した場合に表示されます。クリックすると[多角形の編集]ダイアログが開き、ブラシパターンを編集できます。

4.パターン素材の管理

[パターン素材の管理]ダイアログでは、ユーザーオリジナルの[パターン素材集](ユーザー素材集)の作成や、作成済みのユーザー素材集の編集を行います。

①[パターン素材集の一覧]：パターン素材集のカテゴリを選択します。

②[パターン素材集のリスト]：選択したパターン素材集に登録されているブラシパターンが表示されます。

③[ユーザー素材集メニュー]：ユーザーが作成したパターン素材集を選択します。

④)[ユーザー素材集のリスト]：選択したユーザー素材集に登録されているブラシパターンが表示されます。

⑤クリックするとコンテキストメニューが表示されます。[新規素材集の作成]、[素材集の名称変更]、[素材集の削除]を行うことができます。

⑥選択中のブラシパターンをユーザー素材集から削除します。

⑦クリックするとコンテキストメニューが表示されます。選択中のブラシパターンの名前の変更と、[ユーザー素材集のリスト]の表示順序や表示方法の設定ができます。

⑧クリックすると、左の[パターン素材集のリスト]で選択中のブラシパターンを、右の[ユーザー素材集のリスト]に追加します。

⑨左側に[ユーザー素材集]が選択されている場合に表示されます。クリックすると、右の[ユーザー素材集のリスト]で選択中のブラシパターンを左のリストに追加します。

[3]オリジナルのパターンブラシの作り方

自作の素材をブラシパターン素材として登録しておくと、好きなときに[パターンブラシ]ツールで使用することができます。

1. 素材を用意する

新しいレイヤーにパターンとして登録する画像を作成します。

2.画像からブラシパターン素材を作成する

パターンとして登録する画像を描いたレイヤーを選択した状態で、[編集]メニュー→[素材の登録]→[画像をブラシ素材に登録]を選択、または、キャンバス上で右クリックすると表示されるメニュー→[パターンを登録]→[画像をブラシ素材に登録]を選択します。[画像をブラシ素材に登録]ダイアログで、名前、表現色を指定して[OK]をクリックすると、パターンの登録は完了です。

①ブラシパターン素材の名前を指定します。

②表現色を選択します。[カラー(32bit)]を選択すると、登録した素材の色で描画するブラシになります。

③チェックを入れておくと、作成したブラシパターンが[ツールセット]パレットにも登録されます。

新しく登録したブラシパターンは、[パターン素材集]の[お気に入り]の項目に追加されています。
③でチェックを入れた場合は、[ツールセット]パレットにも追加されます。

3.[ツールオプション]を設定する(素材を[ツールセット]パレットに追加した場合の例)

[ツールセット]パレットから、新しく登録したブラシを選択し、[ツールオプション]を任意の設定に変更します。
気に入った設定ができたら、[ツールセット]パレットの[メニュー表示]ボタンから[初期設定に登録]を選択します。
初期設定に登録しておくと、後々パラメータを変更してしまった時にも、初期設定に戻すことができます。

以上で、オリジナルブラシパターンの登録とツールの設定が完了しました。