[3] ボディのモデリング②
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1. ボディ側面の面を貼る
2. ボディ正面の面を貼る
3. 面の流れの調整
4. エッジ処理
1. ボディ側面の面を貼る
前項で準備した3本のラインの間に[ワイヤー]ツールを用いて、ボディに面を貼っていきます。
複雑な作業となりますが、1面1面、慎重に作業していきましょう。
最初に、ボディの材質を設定していきます。
(1)[F3]キーを押し、視点を正面にします。
(2)[オブジェクト]パネル内の[新規]をクリックすると「mat1」が表示されますので「mat1」をダブルクリックします。
(3)[材質設定]ダイアログで、赤枠内の様に各項目を設定していきます。
設定の変更が完了したら、[OK]をクリックし[材質設定]ダイアログを閉じます。
この材質「mat1」が、ボディの材質となります。
(4)[オブジェクト]パネル内の表示とロックを、赤枠内の様に設定していきます。
(5)面が貼りやすい様に、視点を変更します。
右クリックを行ったまま、画面中央から画面下部に向けてマウスをドラックしていきます。
(6)正面より視点が変更され、エレキギターボディ上部が見えやすい視点となりました。
(7)マウス中央のホイールを使用しラインを拡大して、ボディ上部が更に見えやすい様、再度視点を調整していきます。
(8)[コマンド]メニュー→[辺・点]から[ワイヤー W ]を選択します。
(9)[ワイヤー]パネルが表示されるので、下の図の赤枠内、[三角面を貼る]を選択します。
(10) 面を貼る前に、先ほど設定した材質「mat1」が選択状態にあるかを確認します。
(11)[ワイヤー]ツールを使用して、三角形ポリゴンを貼りつけていきます。
ボディ上部の1辺をクリックで選択し、赤い矢印方向へドラッグ、頂点と重なった状態で右クリックを行い、頂点に吸着させます。
(12)三角形ポリゴンを1枚、貼る事ができました。
(13)[ワイヤー]ツールを使用し、同様に三角形ポリゴンを全体的に貼り付けていきます。
(14)ボディ側面全てに面が貼れました。右クリックとドラッグ使用して、さまざまな視点より貼られた面を確認し、面が反転していないか、点が結合していない箇所がないか、意図していない面が生成されていないかを確認します。
面を貼った後の確認段階でミスを発見した場合の修正方法を説明します。
■面が反転してしまっている場合
このような場合は、まず反転している面を選択します。その後、画面上部メニュー[選択部処理]から[面を反転]を選択し面の法線を修正します。
■点が結合していないポリゴンがある場合
[ワイヤー]ツールを使用して面を貼る過程で、視点や右クリックマージのミスにより、意図していた頂点にしっかりと点が結合せず面が正しく貼られない、といったミスが起こる事があります。この様な場合は、修正すべきポリゴンを選択し、[Delete]キーにて削除後、再度[ワイヤー]ツールにて面を貼っていきます。意図しないポリゴンが生成されていた場合も、同様の方法で修正していきます。
2. ボディ正面の面を貼る
(1)次は、ボディ正面部分の面を貼っていきます。[F3]キーを押し、視点を正面に戻します。
(2)[ワイヤー]ツールで、ボディ中央部分の辺を選択し水平方向へドラック、矢印の先の点で右クリックします。
※後の作業の効率を踏まえ、面は、できるだけ水平方向に貼っていきます。
(3)側面と同様に、[ワイヤー]ツールにて、三角形ポリゴンを全体的に貼り付けていきます。
(4)下図の様な状態になるまで、三角形ポリゴンを貼っていきます。
※ボディ側面の頂点の数によっては、下図の通りに面を貼れないかもしれませんが、面を貼る方向、面の流れなどは下の図を参考に構成してください。ボディ表面の上部と下部は、今は面を貼らずに残し、のちの工程で貼り付けていきます。
(5)全体的に貼られた三角形ポリゴンを、四角形ポリゴンに変換していきます。
[ワイヤー]パネルから、下図、赤枠内の[辺消去で四角形化]を選択します。
(6)ボディ中央部分の三角形ポリゴンを、出来る限り四角形ポリゴンに変換していきます。
辺を消去した後の四角形ポリゴンが水平方向に並ぶ様、全体を確認しながら、辺をクリックして消去していきます。
(7)側面を含めた全ての三角形ポリゴンを、出来る限り四角形ポリゴンに変換していきます。
(8)下図では、三角形ポリゴンがいくつか残った状態となっていますがボディ上部、下部以外は、面が貼られているので問題はありません。残った三角形ポリゴンは、後の調整にて四角形ポリゴンに変換します。
3. 面の流れの調整
全体的にボディにポリゴンが貼られた状態ですが、ボディ正面部分の四角形ポリゴンは、1個あたりの面積を調整する必要があります。下図の調整前と調整後の画像を比較します。
調整前のボディ正面のポリゴンは横長な為、調整後のポリゴンに比べ面に不要な影が落ち、データ上では平面となっているにも関わらず凹凸が出ているように見えてしまいます。
正面のポリゴンを分割、調整する事で、1つのポリゴンあたりの面積をなるべく均等にし、面に流れをつけ不要な影が落ちにくい様、調整していきます。
(1)ボディ表面のポリゴンを調整していきます。面の流れの調整には[移動V]ツール、[ワイヤーW]ツール、必要であれば[ナイフK]ツール、そして右クリックマージも使いながら、調整していきます。具体的な手順は動画をご覧ください。
(2)ボディ正面の調整が完了しました。
前項での面の貼り方や頂点の数によっては、作例の通りに調整できない場合もあります。
ですが、調整するにあたり基本的な考え方は同様ですので、注意すべきポイントを上げておきます。
■流れと構成を最初にイメージした上で調整する。
下図は、調整後のボディです。1つ1つのポリゴンが、ある程度均一な面積を保ちつつ、ゆるやかな
流れを形成している事がわかるかと思います。この様に、面の流れや面積を意識する事で、シンプルなポリゴン構成が容易となり、不要な影が面に落ちる事を事前に防ぐ事ができます。
下図も、調整後のボディの画像です。半透明に色付けされた領域は、この工程で調整する領域です。
2色に色分けされていますが、水色の領域は、整理された碁盤の目に近い状態になっているかと思います。
形状にもよりますが、今回の様な平面の調整を行う際は、ピンクの領域の様にエッジからの面を調整する領域と水色の領域の様に、碁盤の目の様に整理された領域とに、分けて考える事で無駄なポリゴンを増やさない修正しやすいデータを作成する事が可能となります。
■四角形ポリゴンの構成に関して
四角形ポリゴンのみでオブジェクトをシンプルに構成するには、調整後となる下の図の枠内の様なポリゴン構成が必ず必要となります。2つの四角形ポリゴンを、三角ポリゴンを用いず、1つの四角形ポリゴンで纏める調整方法です。
面の調整で行き詰まった時は、輪郭や面の流れを確認してポリゴン数を増やしすぎない様、気を付けながら調整していきます。
4. エッジ処理
曲面化を使用する上でエッジを強調するには、エッジ処理が必要となります。
まず、下の図のエッジ処理前とエッジ処理後の画像を比較します。
エッジ処理前、後、共に[オブジェクト設定]で[曲面制御]→[Catmull-Clark] [分割数]「2」を適用しています。
エッジ処理前の画像は、ポリゴンの密度が比較的一定な為、全体的に曲面制御がかかり、丸みを帯びた印象となっていますがエッジ処理後の画像は、エッジ部分でポリゴンの密度を上げることにより、エッジが強調されよりソリッドな印象となっています。
(1)実際にエッジの処理を行っていきます。まずは処理をし易いに視点を変更します。
[F3]キーを押してボディ正面を表示します。画面左方向へマウスの右ボタンでドラック、側面が見えやすい位置まで視点を移動さます。
(2)マウスホイールを使用して、エッジ部分が見えやすい位置まで視点を拡大します。
(3)画面左の[コマンド]パネルから[ナイフ K ]を選択します。また[ナイフ]パネルで[接続面を連続切断]を選択にします。
(4)エッジに沿って[ナイフ]ツールを使い白枠内の矢印方向へ、切り込みを入れていきます。
切り込みを入れるのは1面のみとなりますが、先ほど[ナイフ]パネルの[接続面を連続切断]をONにしているのでベルト状に四角ポリゴンが分割されていきます。切り込みを入れる際は、切り込みを入れ始める辺から切り込みが入れ終わる辺まで、しっかりとドラックしていきます。
(5)切り込みが入り、エッジが強調されました。
(6)同様に厚み部分のエッジにも、2回切り込みを入れていきます。
(7)厚み部分のエッジも、強調されました。
(8)これで、エッジ処理は終了です。処理後のエッジの表示を、各視点から確認します。
ポリゴンの密度が高いエッジほど、強調されて表示されている事が確認できるかと思います。
(9)エッジ処理が終了したので[オブジェクト]パネル内の「obj4」をダブルクリックし、[オブジェクト設定]を変更します。
(10) [オブジェクト設定]パネルで、赤枠内の通りに設定を変更し、[OK]をクリックします。
(11) [オブジェクト設定]パネルでの変更が反映され、ボディがZ軸にミラーリングされました。
(12)次に、ボディに適用されている材質[mat1]が半透明のままとなっているので、[材質パネル]内の「mat1」をダブルクリックします。
(13) [材質設定]パネル内の[諸設定]→不透明度を「1.00」に変更し、[OK]をクリックします。
(14)ボディに関する全ての作業が終了したので、[オブジェクト]パネル内の「ボディ」にロックをかけます。
これで、今回の講座分は終了となります。
次回は、ピックガード部分をモデリングしていきます。
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