[1] 衣装の作成:上着裾
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この衣装、スカートに被さるように大きな裾がついています。そこにあるペン先の模様が、このキャラクターの一つの特徴。重要パーツですね。 裾は左右と背中の3つあり、全て上半身の白い衣装部分からつながっている構造となっています。しかし、モデル側では、作りやすさや動かしやすさの観点から、パーツはできるだけ(見栄えに影響しない箇所で)分割しておきたい処。丁度腰の位置にあるシワ部分で別パーツに分割したいと思います。
服の裾のような布部分は、柔らかく動いて欲しい部分です。そういった(全体に柔らかく曲がるような)部分は、面の大きさを出来るだけ縦横揃えるように作成します。一部だけ面や辺の長さが違うと、当然綺麗に曲がらなくなります。
まずは正面から、ベースとなる台形の面を作成します。新しいオブジェクトを用意し、[面の生成]で大まかに形を生成します。大きさ、大まかなシルエットはここで調整。
続いて側面視点から奥行きを作成。最初の面の頂点を前後に動かし、デザイン画を見ながら形を整えていきます。側面から、[面張り]で裾を後ろへ引き伸ばし、設定画に近い表面積を確保。
形状を整えつつ、より体にふっとさせるために面を細かく割っていきます。とはいえ、あまり細かくしてしまうと、手作業での調整が面倒に。[ナイフ]→[接続面を連続切断]で縦横2分割程度に切り分け、主に体との接続部分を(体が裾の布から飛び出さないように)調整。
裾をより細かく、均等な分割を行うために、スカートと同様、裾にも「細分化」機能を設定しておきます。オブジェクト設定で曲面制御を[曲面タイプ2]に設定。曲面タイプ2は、エッジ部分までなめらかにしてくれる大きなメリットがありますが、三角ポリゴンが混じった形状はNG(穴が開いてしまう)です。
ちなみに、メタセコイアには、面を縦横に分割して滑らかにする機能が他にも搭載されています。主に使うのはオブジェクト設定内の[曲面制御]ですが、メニュー内にも面を増やして滑らかにする機能があります。
メニュー→[オブジェクト]→[面を滑らかにする]は、現在のオブジェクトを縦横に、設定した数に分割し、凹凸を滑らかにする機能です。三角ポリゴンが存在しても問題なく細分化できる点などは、オブジェクト設定内の[曲面設定(Catmull-Clark)]に良く似ていますが、得られる結果は少し異なり、こちらのほうがより直感に近い分割をしてくれます。しかし、この [面を滑らかにする]機能は、その場で面を細分化&フリーズしてしまいます。
どちらでも、より期待する形状に近いものが得られるほうを使えばよいと思います。衣装の悩みどころは「裏面」。ポリゴンは、基本的に厚さが全くありません。また、裏側は描画されないため、表裏が見える物は、きちんと裏面も別途作製する必要があります。今回は一番楽な方法、表面を作製したら、それをコピーしてひっくり返し、裏面にしてしまう方法をとります。(正式には、UV展開の二度手間を避けるため、テクスチャを設定後に、裏面が必要な箇所を選択、裏面を作製します。)
後部裾も同様に、1枚の面を作り、それを分割しながら形を整え、細分化設定を行って仕上げます。オブジェクトは当然、鏡面設定。上面から面を作成し形を整えたら、今度は上下に頂点を動かし、体と位置を合わせます。
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