6.下描きの作成-背景
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1.背景の下描き
キャラクターが描けたら次は背景です。非表示にしていた定規レイヤーを表示します。
パース定規にスナップさせながら、テーブルや窓、壁といった大きめのオブジェクトを描いていきます。
定規レイヤーは、不透明度を下げておくと作業しやすいです。
■作業手順
(1)[レイヤー]パレットの[定規]リブにある定規レイヤーの左側のスペースをクリックし、非表示になっていた定規レイヤーを表示させます。
[レイヤー]パレットのリブは、初期設定ではタブ化(重なって表示)されていますが、グリップ(リブ名部分)をドラッグするとタブ化を解除できます。タブ化を解除すると、リブを切り替えることなく常に表示させておけます。
(2)定規レイヤーの不透明度は、あらかじめ40%に設定されていますが、さらに下げると作業しやすいです。
(3)描画ツールが定規にスナップするように設定します。
①[定規]メニュー→[スナップ]を選択してチェックの入っている状態にします。
②[定規]メニュー→[スナップ先を設定]→[パース定規]を選択してチェックの入っている状態にします。
また、ウィンドウレイアウトの種類によっては、ツールバーにスナップを設定するアイコンが表示されています。
このアイコンをクリックしても、同じようにパース定規へのスナップを設定できます。
(4)背景が描きやすいように、[ツール]パレットの「線画キャラ」レイヤーの不透明度を下げたら、「背景」レイヤーに、カスタマイズした「ラフ下描き用デッサン鉛筆」で大きめのオブジェクトを描いていきます。
ここでもキャラクターのときと同じように、[消しゴム]ツールを使ってラフの線画を消しながら、ガシガシと描いていきます。
描画ツールを定規にスナップさせている間はパースに沿った線しか描けないので、ボタンひとつでスナップとスナップの解除を切り替えられるように、ショートカットをカスタマイズしておくと作業しやすいです。
パース定規へのスナップは、初期状態では2つのキーを組み合わせた[Ctrl]+[7]キーにショートカットが設定されていますが、1キーで操作できるようにカスタマイズできます。
ショートカットのカスタマイズについて詳しくは、機能解説!トラの巻「ショートカットの使い方と登録方法」を参考にしてください。
大きめのオブジェクトが描けたら上にレイヤーを1枚作成し、今度は赤線で小さなオブジェクトを描いていきます。
(5)背景にある鍋などの小さなオブジェクト用に、新規レイヤーを作成します。レイヤー名を「オブジェクト」に変更し、「背景」レイヤーのすぐ上に置きます。ここに、キャラクターの下描きで服を赤色で描いたように、小さなオブジェクトを赤色で描いていきます。
背景小物の選別、描写は最も気を使う部分です。
こういった小物を注意深く描くことで、キャラクターの性格や設定など様々な物語を見る人に想起させることができます。逆に、アイテムの選別を間違えるとそれらの設定が破綻してしまう危険性もあるため、できる限り普段から色々なものを注意深く見るクセをつけておくとよいでしょう。
鍋やまな板など、円や四角形を描きたい場合は、[図形]ツールを使うと便利です。
[図形]ツールもパース定規にスナップして描画できます。
[図形]ツールの[ツールセット]パレットから、[矩形(線)]や[楕円(線)]を選んで描画すると下図のようにパースのついた図形が描けます。
※線の太さは[ツールオプション]で設定します。
また、タッチのある線で図形を描きたい場合には、[ツールセット]パレットから[矩形定規]や[楕円定規]を選び、パースにスナップした図形定規を作成します。
定規ができたら、スナップ先を[パース定規]から[定規]に変更します。[鉛筆]ツールや[パターンブラシ]ツールで定規にスナップした線を描けば、タッチのある線でパースに沿った図形が描けます。
※下図は、描画のタッチがわかりやすいように定規レイヤーを非表示にしてあります。
定規の使い方について詳しくは、機能解説!トラの巻「定規の使い方・応用編」や、メイキング(テーマ)「図形をパース定規にスナップさせる」を参考にしてください。
2.下描きの完成
下描きを終えた状態です。色々とゴチャゴチャしていますが、背景の線画、オブジェクト、キャラクターの線画はレイヤーごとに非表示にできるので、ペン入れのときに混乱することはありません。
次は、ペン入れや着彩をしてイラストを完成させる工程を解説します。
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