[5] パーツのモデリング③
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1.ペグ(糸巻き)のモデリング
今回のペグのモデリングは、難易度が高くなります。下絵にペグ(糸巻き)の三面図を用意しておきましたので、参考にしながらモデリングして下さい。材質「下絵_横」のテクスチャアファイルを「ギター横.bmp」から「ギター横2.bmp」に変更します。
(1) このオブジェクトのモデリングには黄色の材質を使います。まず、下絵に合わせてプリミティブから円筒を作成します。
(2) 前項で作成した円筒を複製して、[拡大][移動]ツールを使用して、下図のように成形します。
(3) [F3]キーを押して側面を表示します。前項で作成した円筒に[ナイフ]ツールを使用して切れ目を追加した上で下絵に合わせて成形していきます。
(4) プリミティブから円筒を作成します。[基本図形の作成]パネル内の[U方向]に「6」を入力して、[基本図形]パネル内の[作成]をクリックします。下絵と、前項で作成した円筒を参考にしながら、位置と大きさを調整します。
(5)プリミティブから四面体と円筒を、下絵を参考に別々のオブジェクトレイヤーに作成、配置します。この四面体と円筒を、後の工程でまとめ1つのパーツにしていきます。
(6)前項で作成した四面体と円筒を、同時に表示して、前面と背面の点の位置を[頂点の位置を揃える]を使用して位置を揃えておきます。
(7)前項で作成した四面体のみを表示し、成形していきます。下絵を参考に、[ナイフ][押出][移動][回転][拡大]ツールを使用して、成形していきます。後に、円筒を加工したパーツを追加しますので、不要なポリゴンを削除していきます。
(8)続けて、前項で作成した円筒を表示し成形していきます。[ナイフ]ツールを使用して切れ目を追加し、ポリゴンを削除していきます。
(9)加工した四面体と円筒を1つのオブジェクトレイヤーに、まとめていきます。まとめた後、右クリックマージにて円筒パーツと四面体パーツを結合します。結合した点の座標は[頂点の位置を揃える]を使用して、Z座標を揃えておきます。パーツ下部のポイントも右クリックマージを使用して前面、背面共にまとめ、整理しておきます。
(10)右クリックを使用して、視点を変更します。下図、左を参考に[ナイフ]ツールを使用して、対象のポリゴン以外に切れ目を入れないよう、注意しながら切れ目を追加します。切れ目が追加されたので、下図、右を参考に四角形ポリゴンを削除後[ワイヤー]ツールにて、三角形ポリゴンを貼り付けていきます。
(11)前面、背面共に、下半分の空いたスペースにポリゴンを貼り付けていきます。
(12) 右クリックを使用して、視点を変更します。下図を参考に[ナイフ][ワイヤー]ツールを使用して、分割数を上げていきます。[ナイフ] [ワイヤー]ツール使用時に、対象とするポリゴン以外を分割しないよう注意してください。
(13) 前面、背面共に、上半分の空いたスペースにポリゴンを貼り付けていきます。
(14) [押出]ツールと[頂点の位置を揃える]を使用して、下図、赤い領域を成形していきます。押し出しは、背面のみ行います。
(15) 下図、赤い領域のポリゴンを削除します。
(16) プリミティブから円筒を選択して、下絵を参考に作成、配置します。下図、赤枠内のポリゴンは、削除しておきます。
(17) [ナイフ]ツールを使用して切れ目を追加した後、下絵に合わせ、円筒の結合部分の点を[拡大][移動]ツールを使用して調整していきます。
(18) [ワイヤー]ツールを使用して、三角形ポリゴンを貼りつけていきます。
(19) [押出]ツールを使用して、下図、赤枠内のポリゴンを押し出します。
(20) 結合部分が緩やかな曲面となるよう微調整を加え、全体のエッジ部分も調整していきます。
(21) ペグのつまみ、ネジ以外のモデリングが完了しました。作成したオブジェクトを1つのレイヤーにまとめておきます。
(22) ペグのつまみ部分をモデリングしていきます。下絵を参考に、プリミティブの円筒と四面体をベースにモデリングしていきます。このオブジェクトのモデリングには赤色の材質を使用します。まず下絵に合わせ、円筒を作成します。
(23) [ナイフ]ツールを使用して、円筒に切れ目を追加していきます。
(24) [ナイフ]ツールで、追加した点を[拡大][移動]ツールを使用して調整していきます。
(25) 円筒側面部分のポリゴンを全て選択して、削除します。
(26) 新規オブジェクトレイヤーを作成して、下絵を参考に四面体を作成します。
(27) [ナイフ]ツールを使用して、切れ目を追加していきます。
(28) 下図を参考に側面のポリゴンを削除していきます。
(29) 円筒と四面体のパーツを1つのオブジェクトレイヤーにまとめ、赤枠内の点を、[頂点の位置を揃える]を使用して揃えておきます。
(30) 右クリックマージを使用して、四面体のパーツの点を円筒のパーツの点へ結合させていきます。
(31) 下絵に合わせ上部、下部の点を側面より調整していきます。
(32) [ワイヤー]ツールと右クリックマージを使用して、下図、赤枠内のポリゴンを再構成していきます。
(33) 正面より下絵を参考にしながら、形状を整えていきます。
(34) 下図、赤い領域のポリゴンを削除します。
(35) [ナイフ]ツールを使用して、上部、下部のポリゴンの分割数を増やし、下絵を参考に成形していきます。
(36) エッジ部分の点を、下図を参考に調整していきます。完了したら、前項で作成したペグのパーツと
同一のレイヤーへ移動させます。
(37) 最後にネジを作成します。ネジの溝の作成にはプラグイン[ブーリアン]を使用します。まず、新規オブジェクトレイヤーを作成します。その後、プリミティブから球を作成して、下絵を参考に不要部分を削除します。このオブジェクトも赤色の材質を使用します。
(38) 次に別レイヤーに四面体を作成します。作成した四面体を複製後、90度回転させネジのプラス部分になるよう成形します。それを先ほど作成した球のパーツに重なるように配置します。中心点を揃えるため、このパーツはX=0の軸で作成すると効率が良いです。
(39) これで[ブーリアン]を使う準備が整いました。[ブーリアン]は異なるオブジェクトを1つに合成できるプラグインです。メタセコイアでは[ブーリアン]だけでモデリング完結できることは稀です。ブーリアン後の処理が重要となります。ネジのベースになるレイヤーを選択状態にして、上部メニュー[オブジェクト]→[ブーリアン]を実行します。[メタセコイアブーリアン]パネルの計算式が[+(和)]となっているかと思いますので[-(差)]に変更して[OK]をクリックします。[ブーリアン]が実行され、新しいオブジェクトレイヤーが作成されました。
(40)出来上がったオブジェクトを見ると不要な辺、点が作成されていています。まず不要な辺、点を削除したりマージして調整します。次に、ネジにあたる辺を選択します。この時に編集オプションの[点]・[面]のチェックを外すと辺が選択しやすくなるので覚えておいて下さい。その状態でプラグイン[Edge Extrude]を実行してネジの部分のくぼみを作成します最後にネジ穴の底面を塞ぎ、成形して完成です。[編集オプション]の[点]・[面]のチェックを戻すのを忘れないで下さい。
(41) これでペグ(糸巻き)を構成するパーツが全て揃いました。[オブジェクト]パネル内のレイヤーをドラッグ使用して1つにまとめていきます。パグのパーツは一式揃いましたが、下絵では、モデリング用にペグが大きめに描いてあり、そのままギター本体に合わせると少し大きいサイズとなってしまいます。ですので、正面視点で下絵を参考に、ペグのスケールを変更していきます。
(42) それではペグを配置していきます。オブジェクトに[ミラーリング]を設定するので右半分を配置すればOKです。コピー&ペーストでペグを複製した後、[移動][回転]ツールで位置を調整していきます。下絵に上手く合わないかもしれませんが、オブジェクト「ネック&ヘッド」との位置関係を合わせる方が重要です。最後に「ペグ」とリネームして編集不可にしておきます。
これで、今回の講座分は終了となります。次回は、弦のモデリングを行って、クラシックギターを完成させます。
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