[5] テクスチャを描く(2)ペイント機能
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メタセコ上にも、(絵を描く機能としては貧弱ですが)ペイント機能が搭載されています。
そのペイント機能の中でも、メタセコの特徴のひとつが直接ペイント機能。この機能のメリットは、模型に色を塗るように、モデルに直接ペイントできることです。狙った場所にきちんと色を付けることが出来るので、汚しやシャドウ、ステッカー的なものを付け足すのに威力を発揮します。
当然、この機能には弱点もあります。UVの継ぎ目をまたいだペイントが困難なこと、また、レイヤーなどの機能が無く、ブラシも最低限なので、凝った絵を描くのは困難なことなどが挙げられます。そのため、UV展開を綺麗にすることや、イラストスタジオなどのお絵かきソフトとの連携が必要になってきます。
1.ペイントパネルの機能
では、その直接ペイントに移ります。
(1)[材質]パネルで材質「Skin」を選択した状態で[コマンド]パネルの[ペイント]をクリックし、[ペイント]パネルを開きます。このパネル上、もしくはモデルに直接、ブラシ機能や塗りつぶし機能で色をつけていくのが基本的な使い方です。
[ペイント]パネルに表示されるテクスチャは、現在選択されている材質のものが表示されます。
(2)まずは、[ペイント]パネルの左側にある[ブラシ]ボタンと[色パネル]ボタンをクリックして、子窓を開きます。
ペイントパネルの機能
■ブラシパネル
[ブラシ]パネルは、主にブラシのサイズ、濃さを調整します。
・半径
ブラシのサイズの大きさです。正直、1ドットサイズのブラシで描いていたらいつまでも終わらないので、サイズはその都度、塗る場所ごとに適度に大きくして使っていきます。
・筆間隔
ブラシの描画間隔を広げることができるオプションですが…
私は1pxから動かしたことがありません。
・筆圧
メタセコのペイント機能はタブレットの筆圧感知には対応していません。そこで、乗せる色の濃さ(透明度)が、この筆圧になります。人それぞれですが、私は筆圧50%程度の半透明状態が、重ね塗りで勝手に色のグラデーションが出来るのでお気に入りです。
ブラシパネルにはタブがあり、ブラシ形状、色の塗りつぶし、模様によるペイントなどの機能を使うことも出来ます。(使用頻度は低いと思われますが)
■カラーパレット
よく使用する色をキープしておける、お絵かきソフトにも良くある色パレット。
すみません、ほとんど使ったことがありません。
■カラーパネル
HSVのカラーサークルによる色作成パネル。色はこれで作るか、後述の「スポイト機能」でテクスチャ画像から拾います。
また、材質の[透明度]にもテクスチャが設定されていると、この色作成パネルに[透]スライダーが追加されます。このスライダーで、色の透明度を変更することが出来ます。(今回は透明度の調節は不要です。)
このほかに、よく使う機能は次の通り。
■編集対象の切り替え
[ペイント]パネル左側にあるスイッチ類で、模様、透明などのテクスチャから編集対象を絞ることが出来ます。
今はまだ、模様以外のテクスチャを設定していないので、この欄は意味がありません。
■スポイト機能
[ペイント]パネルに表示されたテクスチャ上で[右クリック]すると、その場所の色を拾うスポイト機能となります。
(拾った色、つまり現在のペイントカラーはカラーパネルで確認します)
※モデルからは色を拾えません。
2.テクスチャのペイント
では、実際のペイントを開始します。
(1)ブラシパネルでブラシサイズを「20」位、筆圧は25%に。
(2)ペイントパネル上で右クリックして、先ほどイラストスタジオで用意した肌の影色を拾います。
※テクスチャ画像に影色を用意しなかった場合には、肌色のベースカラーを選択後、色パネルで、色相(H)を下げて赤に近づけ、彩度(S)を高めて色を濃く。明度を心持下に下げて、影色を作ります。(参考までに、HSVの数値はH=17,S=41,V=96です)
(3)ではいよいよ、モデルに直接、影色をペイントします。今回はキャラデザインのすまき俊吾先生のカラーイラストを参考に、おでこから鼻にかけて影色のグラデーションをつけ、あごの下、耳の裏も影色で塗ります。
塗り方は、マウスでモデルの上をなぞるだけです。顔は鏡面設定されており、右側の顔は実体がないのでペイントできません。顔の左半分側に描いてください。塗る場所にあわせて、ブラシサイズや透明度を調整します。
(4)肌の影色を塗り終えたら、一旦この肌色テクスチャを保存します。ペイント機能はメタセコ本体から独立しているので、編集したテクスチャは(モデルの保存とは別に)個別に保存しなければなりません。
[ペイント]パネルのメニュー[ファイル]→[ファイルへ保存]を選び、テクスチャを保存します。
(5)ペイントを終了するには、[ペイント]パネルを右上の×ボタンで閉じ、メタセコで別の(ペイント以外の)コマンドを選択します。
ペイント機能の注意点
①ペイントパネルはメタセコイアとは別のツールとして立ち上がっています。そのため、メタセコ上で作業した直後に[ペイント]パネルを操作しようとすると、最初の1クリックはツールの切り替えとなります。モデルの直接ペイント作業中に[ペイント]パネルで色を拾う場合などに、一回のクリックではダメ。[ペイント]パネルを一回左クリック、続いて右クリックで拾います。
②キーボードショートカット([Ctrl]+[Z])によるアンドゥは、現在フォーカスされているウィンドウに対して行われます。モデルの直接ペイント中にキーボードショートカットでアンドゥを行うと、ペイントが一回戻るのではなく、その前のメタセコ上での処理が一回戻るので注意。ペイント中は、キーボードショートカットを使わず、ブラシのアンドゥなどは[ペイント]パネルの[編集]メニューから行いましょう。
また、ペイントのアンドゥは一回分しか効きません。何手も戻すことは出来ません。
③直接モデルにペイントする時に、UVの繋ぎ目、大きくゆがんでいる箇所ではペイントが難しくなっています。ブラシで色を塗る際に、長いストロークで線を引くと、こういった箇所にぶつかる可能性が高く、失敗の可能性が大きくなります。点描のように、短いストロークで重ね塗りをしていくことをオススメします。
(6)肌色のテクスチャが完成しファイルを保存したら、肌色のグラデーションを滑らかにするために、[ペイント]を終了し、イラストスタジオを起動します。肌色を塗ったテクスチャを開き、ブラシで気になるアラ、メタセコのペイントのブラシ跡を消して滑らかにします。
イラストスタジオでテクスチャの色を整える
メタセコのペイント機能で描画すると、モデルを確認しながら直感的に作業ができる利点がありますが、若干ブラシのストロークの跡が残ってしまいます。
そこで、再度「Skin.bmp」をイラスタに読み込んで、色をなじませます。
使用するツールにこれといった決まりはありませんが、主に[水彩]ツールのツールセット[なじませ]や[色混ぜ]を使用して色ムラやブラシタッチが気になる付近をなぞります。
※[なじませ]は描画色を混ぜつつ周りの色をなじませる設定になっているので、[Alt]+クリックで「肌色」または「肌の影色」をスポイトしてから使用すると、より色がなじみやすくなります。
極端な色ムラがなくなったら完成とします。
(7)イラストスタジオでの修正が終わったら、そのまま同じファイル名、同じ形式(「Skin.bmp」)でファイルを上書き保存([Ctr]l+[S])。メタセコは常にテクスチャの更新を監視しているので、すぐにテクスチャが切り替わるはずです。
今回はここまでです。次回は瞳、髪の毛と、忘れていた眉毛を作成していきたいと思います。でわ。
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