[1]可動角度の制限
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さて、前回「影響範囲」を作成したので、ようやくボーンでキャラのポーズを“正常に”変更できるようになりました。
しかし、手足をつまんで動かすと、グネグネといとも簡単に(人間を超えた)ポーズになってしまうと思います。これは、全ての関節が360度全方向に動いてしまう、いわば「関節が外れた」状態だから。そこで、関節ごとに可動範囲を設定し、一般的な人間が動かせない方向へは手足が曲げられない制約を設定し、モデルを動かしやすくします。
※この「可動範囲調整」は、メタセコ上でキャラのポージングをし易くするための作業で、必須ではありません。別の外部ツールへこの設定を移植することは出来ないと思いますので、そういった用途を目指す場合には作業の必要はありません。
以前からの説明の通り、Keynoteプラグインでは、ボーンごとの設定は材質設定で行いますが、特に可動範囲を設定するには、その中の「凸凹」テクスチャ設定欄にボーンの可動範囲を角度「HPB」の形で表記します。(メタセコは昔から、凹凸テクスチャ(バンプマップ)の設定欄が用意されていますが、実際の表示には反映されないためデッドスペースになっています。この部分を、プラグインの設定記録用に利用する訳です)
書式:H(角度1,角度2); P(角度3,角度4); B(角度5,角度6)
ここで書きこむ「H/P/B」とは、それぞれHedding/Pitch/Bankといい、ボーンの回転方向を示しています。
実際に角度制限を設定する手順は下記の通りです。
(1)設定を行いたいボーンに対応する材質設定を開き、凹凸マップ欄にとりあえず「H(0,0); P(0,0); B(0,0);」と書き込んでおく。(角度を0,0とすることで、そのボーンはIK動作では曲がらなくなります。)(基本的には、親階層のボーンから順に設定します。)
(2)ボーンプラグインを立ち上げ、該当ボーンを選択します。(ボーンの中心付近を選択すると、画面に円形の”ハンドル”が表示されます。)
(3)表示されたハンドルの、ピンクがH,緑がP,黄色がBとなります。 まずはHedding、ハンドル上のピンクの四角形をドラッグして、動いて欲しい限界位置を探ります。 注目すべきはタイムライン上の「H」の値。実際に肘を動かしながら、最小位置と最大位置の数値を探ります。(割り出した数値はメモしておく。) 「H」の次は「P]、つまり緑の四角形を動かして、最大と最小の「P]の値を割り出し。最後に「B」。同様に黄色の四角形を動かして最大、最小値を割り出します。
(4)割り出した数値を、材質設定の凹凸マップ欄に書き込みます。「H(0,0); P(0,0); B(0,0);」の、暫定的に0を入れてあるところに、それぞれの数値を書き込みます。
(5)設定できたら、ボーンの先の四角形をつまんで動かし、IK動作時に変な角度にならないか確認します。
以上のような流れになります。主に設定すべき箇所は、鎖骨、肩、ひじ、手首、腿、ひじ、足首です。 可能であれば、予めこれらの数値が設定されたボーン構造を、他のモデルからコピーしてきて利用するのが賢いと思います。本講座のサンプルデータのボーン構造もコピペして利用自由です。
利用方法は簡単。サンプルデータからモデル部分をカットした、ボーン構造とアンカーだけのファイルを準備しておき、自分のモデルに[ファイル]→[オブジェクトの挿入]でボーンのファイルを追加。位置、サイズを調整します。
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